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〈歴史の「語り部」を探して〉「悲劇」に隠された軍事侵略/京都編(上)

2022年07月14日 08:43 歴史

日本の軍国主義が強化されていることを、日常的に感じる人々はどれほどいるだろうか。言わずと知れた軍港都市・舞鶴には、今もその名残で海上自衛隊舞鶴地方隊など自衛隊の拠点があり、イージス艦をはじめとする停泊中の軍艦、街を歩く自衛隊員などは、日常の風景ともいえる。だからこそ、迫る戦争危機を日々肌で感じるという地元の人々は、戦争「被害」の前提にある日本の加害歴史に向き合い、語り継ぐ重要性を繰り返し説いていた。

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舞鶴クレインブリッジから引揚場所の一帯を指さす余江さん

京都市内から特急で約1時間40分の距離に位置する舞鶴。移動距離が長いこともあり、フィールドワーク前日に前入りし、当日を迎えた。この日、旅程の案内人を引き受けてくれたのは、「浮島丸殉難者を追悼する会」の余江勝彦さん(前会長)、品田茂さん(新会長)、橋本栄治さん(事務局長)の3人。東舞鶴駅周辺で合流し、簡単なあいさつを交わす間もなく、橋本さんが運転する車に乗り込んだ。

というのも、下佐波賀(しもさばか)にある浮島丸殉難者追悼公園など「舞鶴の戦争跡」を可能な限り多くまわりたいという筆者の要望を受け、1日で回れるスケジュールを細かく組んでくれていたのだ。

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