福岡県弁護士会、ヘイト解消に向けた宣言採択
2022年06月08日 14:44 社会を知る~今週のnewsトピック~日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。
福岡県弁護士会、ヘイト解消に向けた宣言採択
福岡県弁護士会は5月27日、HPを通じて「ヘイトスピーチのない社会の実現のために活動する宣言」を公開した。
宣言では、人種や民族などに基づく社会的少数者への偏見、憎悪、嫌悪からくる差別的言動(ヘイトスピーチ)が、「個人の尊厳(憲法第13条)、法の下の平等(憲法第14条) 等の基本的人権を著しく侵害するものであるばかりか、これを放置すると攻撃対象とされた人々に対する社会的な差別、偏見、憎悪、暴力等を助長しかねない、絶対に許されないものである」と前置きながら、ヘイト解消法施行から6年を迎え、その状況は一層深刻さを増していると指摘。一方で、福岡県内に反ヘイト条例を定めた自治体がない実情を上げ、対策面での不足に危機感を示した。
そのうえで宣言は、同弁護士会が▼ヘイトスピーチによる被害の予防・救済のための法的支援活動の推進、▼ヘイトスピーチ解消のための実効的方策の検討、▼県および県内の自治体が実効的方策をとるよう連携し働きかけること―などを確認。これまでヘイト根絶のための取り組みが不十分だった反省に立ち、具体的な行動を起こしていくとした。
報道によると、同宣言は、27日に開かれた2022年の定期総会で採択された。
福岡県弁護士会では、今後、ヘイトスピーチ対策の専門チームを会内に設け、規制や罰則を伴う反ヘイト条例のモデル案作成、さらに同条例案の制定に向けた県および自治体への働きかけを行っていくという。
沖縄・嘉手納基地、相次ぐ米軍戦闘機の飛来
各紙報道によると、5月末から今月2日にかけて、沖縄県の米軍嘉手納基地に飛来した常駐機以外の米軍機の数が30機以上になることが分かった。
嘉手納基地には100機以上の米軍機が常駐するといわれており、嘉手納町の記録では、常駐機ではない米軍機、なかでも戦闘機が数日間のうちに30機以上飛来したのは、07年以来だという。
地元住民から不安や抗議の声があがるなか、沖縄県の玉城デニー知事は6月2日の会見で「常駐機に加え、外来機の騒音や不安が加わることは、県として認めがたい状況だ」と述べた。
大学中退理由にコロナ影響
企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開する株式会社「ジェイック」は2日、昨年4月から今年3月までの1年間に実施した「中退(予定者)に対する新型コロナウイルスの影響アンケート」の結果を公表した。
インターネットによるこの調査は、同社が運営する中退者向け支援サービス「ジェイック就職カレッジ中退者コース」の受講生を対象に行われ、424人が回答。大学などの中退理由にコロナが関係していると回答した割合は、15.5%だった。その理由として、「オンライン授業で学習意欲が低迷し、課題に追われる日々になった」「アルバイトがなくなってしまい学費を払えなくなった」「オンライン授業により、教授に質問できる機会がなく、授業についていけなくなった」「大学での友人を作りづらい、会いづらいという環境がストレスになった」などが上げられた。
一方、文部科学省が今年3月1日に公表した調査によれば、昨年4月から12月までに国公私立の大学、短大、高等専門学校を中退した学生は2万9,733人で、前年同時期よりも1,086人が増加した。
調査の詳細は、同社のHPから確認できる。
クルド人男性難民認定の判決が確定
トルコ国籍の20代のクルド人男性が、帰国すれば迫害の恐れがあるとして国に難民認定を求めた訴訟で、国の難民不認定処分を取り消した札幌高裁判決(5月20日)が確定した。6日までに国側が最高裁への上告を断念していた。
男性は3年前、難民認定を求めて国を相手に裁判を起こしたが、1審の札幌地裁は男性の訴えを退けた。続く2審では、1審判決を変更し、国の不認定処分を取り消した。
全国難民弁護団連絡会議事務局によると、クルド人側が勝訴した判決は3例目。過去2件はいずれも判決確定後に再び不認定処分を受けているという。
古川禎久法務大臣は、7日の記者会見で、「判決内容を精査した結果、上告理由を見出しがたく、最終的に上告しないと判断した」と述べた。
(朝鮮新報)