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佐渡鉱山を記憶する集会行われる

2022年05月11日 10:00 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

入管収容男性、受診不許可で寝たきりに

大村入国管理センター(長崎県)に収容されたネパール人男性への十分な治療を求め、市民団体「大村入管のラムさんを支援する学生・市民の会」がインターネット上で署名活動を行っている。

オンライン署名サイト「change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」に記された内容によると、男性は2009年に来日し調理師として働いていたが、18年に在留カードの更新が10日遅れたことを理由に入管施設に収容された。19年4月、施設内でサッカー中にほかの収容者とぶつかって左股関節を痛め、車いすが必要になるほど重症化。しかし入管側は早急な受診を許可せず男性は痛み止めでしのいでいたという。同8月、「大腿骨頭壊死症」と診断された。現在は腎臓にカテーテルを通し、寝たきりの状態にある。

大腿骨の先端が壊死する「大腿骨頭壊死症」は、早期に手術をしないと歩行困難をきたす。「市民の会」では一刻も早い手術の適用を入管に求めている。

一方、男性は昨年4月、国に慰謝料など約387万円を求め提訴。署名では裁判の傍聴を通した支援も呼びかけている。

劇団石、2年ぶり釜山公演

在日朝鮮人で構成された劇団石(トル)が演劇「キャラメル」釜山公演(主催=朝鮮学校とともにする市民団体「春」)を3日~7日まで行った。

「キャラメル」は日本軍性奴隷制被害者らを描いた一人芝居。脚本、演出、主演を在日朝鮮人3世のきむ・きがんさんが受け持った。同劇団による釜山公演は2年ぶり。

1万5千人が護憲さけぶ

日本国憲法の施行から75年を迎えた3日、改憲を反対する大規模集会「改憲発議許さない!守ろう平和といのちとくらし」が有明防災公園(東京都江東区)で行われ、1万5千人が参加した。

参加者たちは「守ろう平和・いのち・暮らし」などと書かれたプラカードを掲げ、デモ行進を行った。昨今のウクライナ情勢に乗じて改憲を目論む日本政府の動きを危惧し、平和な社会を次世代へ受け継ぐ必要性を口々に訴えた。

一方、同日改憲派も東京都千代田区で集会を開き、改憲の必要性を訴えたが、参加者は500人にとどまった。

吉野家、大学生を国籍差別

大手牛丼チェーン店の吉野家ホールディングズによる採用説明会を巡り、国籍を理由に大学生の参加を拒否していたことが、SNSを通して3日までに明らかになった。

参加を拒否された大学生のツイッターの投稿によると、吉野家側は1日、説明会の予約を一方的に取り消したことをメールで通告。「外国籍の方の就労ビザの取得が大変難し」いことを理由にあげた。当該大学生は「ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本」と明かしており、企業側が外国籍と判断できるものは名前(カタカナ)しかなかったという。

吉野家側は本人に確認しないまま、名前などを通して外国籍であると判断したと思われる。

後日、吉野家側は「説明不足だった」と釈明したが、SNSでは吉野家の国籍差別、多様性への認識の欠如が生んだ差別的対応であるとの批判が相次いだ。

これを受け会社側は9日、当該大学生に電話で謝罪し、国籍を問わず希望者全員が説明会に参加できる方針を決めた。

報道の自由度71位、政府の圧力原因

国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF)が発表した「世界報道自由度ランキング」によると、日本は世界180カ国・地域中71位で、昨年の67位から4つ後退した。

理由として「政府や企業による日常的な圧力により、敏感とされるテーマに関して(都合の悪い情報を報じないよう)自己検閲が行われている」とされた。RSFのクリストフ・ドロワール事務局長は声明で「強権国家は(官製)メディアを自身の武器とし、市民の知る権利を消滅させている」と指摘した。

佐渡鉱山を記憶する集会

「過去・未来―佐渡と朝鮮をつなぐ会」」の活動を聞く集会が行われた(提供=吉澤文寿さん)

佐渡鉱山での朝鮮人労働者について調査を続けてきた「過去・未来―佐渡と朝鮮をつなぐ会」」の活動を聞く集会(主催=佐渡の朝鮮人労働者の足跡を記憶する会)が7日、相川キリスト教会(新潟県佐渡市)で行われた。地域住民ら25人が参加。

戦時中1500人を超える朝鮮人が強制労働を強いられた佐渡鉱山を巡っては、日本政府がユネスコ世界文化遺産への登録を目指し、歴史否定の姿勢を強固にしている。6日には自民党の議員連盟が現地を「視察」するなど、加害の歴史を否定し遺産登録を成し遂げるための動きに拍車をかけている。

集会では、約30年前に南朝鮮で元鉱山労働者の証言を集めた林道夫さん(「称光寺」住職)が、自身の生い立ちや朝鮮人との出会い、証言調査の話を紹介。当時の様子を記録した2本の映像もながれた。

「記憶する会」の吉澤文寿さん(新潟国際情報大学)は「政治・社会的な問題ではなく『我が事』として問題に取り組んできたという林さんの思いに触れることができてよかった。佐渡鉱山の朝鮮人労働者の歴史や『つなぐ会』の活動を通して、朝鮮人たちの苦難の経験を再認識しながら、これらを語り継ぐための活動を継続したい」と述べた。

 

(朝鮮新報)

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