短編小説「魚のために道をひらこう」22/陳載煥
2022年03月29日 06:39 短編小説もともとテソンは、他人に自分のことを話すのをあまり好まなかったが、父親のような慈愛のこもったこの老人には、ありのままを話したい気持ちがむらむらとおこった。
「私たちは養魚をやっている者ですが、大同江で魚の放し飼いができるかどうか、水の試験をするために河づたいにのぼってきたんです。ところが連れの者が急病にかかったので、人家を探しにやってきたのです」
もともとテソンは、他人に自分のことを話すのをあまり好まなかったが、父親のような慈愛のこもったこの老人には、ありのままを話したい気持ちがむらむらとおこった。
「私たちは養魚をやっている者ですが、大同江で魚の放し飼いができるかどうか、水の試験をするために河づたいにのぼってきたんです。ところが連れの者が急病にかかったので、人家を探しにやってきたのです」