関西アンコンで金賞受賞/京都中高吹奏楽部
2022年02月19日 10:01 民族教育演奏の楽しさ、自身の変化を感じた期間
第48回関西アンサンブルコンテスト(主催=関西吹奏楽連盟)が2月11日、奈良県橿原文化会館で行われ、京都府代表(中学校の部、打楽器5重奏)として出場した京都中高吹奏楽部が金賞を受賞した。同校が府代表に選出・金賞を受賞したのは昨年度(高校の部)に続き2回目。
舞台に立ったのは、田美友さん(中3)、韓亜星さん(中2)、千優香さん(中2)、潘宗憲さん(中2)、李姫奈さん(中1)。 安部圭子作曲の「森の会話Ⅲ~2台のマリンバと3人の打楽器奏者のための~」を披露し、曲の世界観を会場いっぱいに表現した。
子どもたちはコロナ禍の中、さまざまな課題と向き合いながら大会に向けて練習に励んできた。その過程は演奏の楽しさを知り、自身の成長を促す貴重な学びの時間となった。
千優香さんは、「最初は正直、どこか中途半端な気持ちもがあって、練習が嫌になることもあった。それでも続けるほどに自分を振り返れたし、演奏が楽しくなっていった。途中のスランプも一生懸命乗り越えて、気づいたら演奏に対する集中力もぐんと上がっていた」と話した。
韓亜星さんは「今回の大会に向けた練習では、技術はもちろん、それ以上に、演奏に感情を込めることがいかに大事なのかを学べた。楽譜に書かれている音をただ出せばいいのではなく、自分の感情を曲にしっかり乗せてこそ、その世界観を表現できる。その方法も見つけられた」と述べた。
メンバーの中で唯一、中1で加わった李姫奈さんは「関西大会に出場できたことが何よりうれしかったし、楽しく演奏できて、いい思い出になった」という。初級部では民族器楽部に所属していた李さん、「最初は難しかったけれど、先輩たちのサポートもあり、少しずつ演奏を楽しめるようになった。この期間に学んだことを、これから入ってくる後輩たちにもつなげていきたい」と話した。
一方、今回の大会ではじめて打楽器の演奏に挑戦することになった潘宗憲さんは、「大変なことは多かったけれど、練習すればするほどできることが増えていった」と話す。積み重ねてきたものは本番の演奏でも発揮され、金賞という結果に結びつき、心地よい達成感を感じられたという。「今回の重奏では5人全員が違う役割を担っているから、一層、個々人の技術が必要になり、それでこそいい演奏に繋がる。以前と比べ、先輩に頼るだけではなく、自ら技量を磨き、最後までやり遂げる力が増したと思う」と自身の変化について語った。
アンコンでは、支部大会の金賞受賞校の中から「全国」大会の代表が選出される。京都中高は惜しくもそこには一歩及ばず、田美友さんは「今年こそ必ず代表になりたいと思っていたから、金賞をうれしく思いつつ、悔しかった」と思いを吐露した。
田さんは自身の演奏だけでなく、パートリーダーとして後輩たちを率いていくうえで、悩み、葛藤することが少なくなった。しかしそれ以上に「3年間ウリハッキョで吹奏楽を学べて心から良かったと思えた」という。悔しさをバネに、「来年は必ず『全国』大会に出場できるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。(李鳳仁)