東京の朝鮮学校を支援する都民集会、権利守るため共闘を
2012年11月24日 13:37 民族教育幅広い団体、労組が集い
東京の朝鮮学校を支援する都民集会が23日、東京の日本教育会館で行われ、朝鮮学校生徒、教員、学父母など同胞と、市民団体、労働組合の関係者、議員、日本学校教諭など日本市民ら約700人が参加した。日本の大学教授、国会議員、都と各区の議員、東京の市民団体、労働団体など64の個人と団体(連合体含む)の呼びかけで行われた集会では、朝鮮学校への「高校無償化」適用、補助金支給を求め、団体や世代を越えて連帯してたたかうことが確認された。
「日本社会のあり方が問われている」
集会では、日本退職教職員協議会の西澤清事務局長のあいさつに続いて、田中宏・一橋大学名誉教授が「朝鮮学校支援の必要性と差別の構造-歴史の逆行は許されない-」という題目で基調報告を行った。
日本政府の一貫した差別政策のなか、美濃部都政下での朝鮮大学校認可(1968年)など、在日朝鮮人と日本市民の連帯した力で権利を一つひとつ勝ち取ってきた民族教育の歴史が権利の側面から語られた。
続いて、朝高生と朝高卒業生、保護者の代表らが発言した。
東京朝鮮中高級学校高級部3年の金志弘さんは、「私は12年間、朝鮮人として朝鮮学校で民族の言葉や文化を学んできたことを誇りに思っている。しかし、日本政府は政治問題、外交問題として扱い、私たちの声を無視し続けている。問題が解決されないまま、先輩たちが卒業したことが本当に悔しい。後輩たちに、これ以上悔しい思いをさせたくない。必ず、私たちの代で『無償化』問題を解決したい。最後まで諦めずにたたかう」と述べた。会場からは温かい拍手が送られた。
同校保護者は、在日同胞が民族教育の諸権利を獲得してこられたのは日本市民の支援があったからだと強調。集会参加者が朝鮮学校に対する差別の問題を伝えることで、「高校無償化」適用と補助金支給を求める運動を大衆運動に広げようと呼びかけた。
また、東京都地方公務員関係労働組合協議会、東京都公立学校教職員組合、部落解放同盟東京都連合会、東京都退職者協議会、日朝友好促進東京都議会議員連盟、東京・平壌虹の架け橋、高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会の各代表らが発言し、連帯と共闘を誓った。
部落解放同盟東京都連合会の近藤登志一書記長は、「朝鮮学校排除は不当な民族差別だ。差別とは、社会から排除され、在日朝鮮人が社会にいなかったように扱われる危険なものだ。『無償化』や補助金の問題では、日本の人権水準、日本社会のあり方が問われている」と指摘した。
東京都退職者協議会の斎藤親仁事務局長は、「日本は、過去に朝鮮人や中国人を思いのままに連れてきて、苦しい労働に従事させ蔑視した。文化や技術を学んだ国々に、日本政府は何たることをしてきたのか。本当の意味で反省していないから差別しているのだ」と指摘。「老壮青と少年まで連帯してたたかおう」と呼びかけた。
朝鮮学校を支援する南朝鮮の市民団体「モンダンヨンピル」共同代表らのビデオレター上映に続き、東京朝鮮中高級学校舞踊部、声楽部の公演が披露された。
「民族の心刻む言葉と文字を学び/わが祖国、わが大地の大切さを学ぶ/ウリハッキョは、私たちの故郷なのだ・・・」
チマ・チョゴリを着て朝鮮の歌を歌い、民族舞踊を舞う朝高生に大きな拍手が送られた。
朝高生は、「ハラボジ、ハルモニたちが建て、アボジ、オモニたちが支えてきたウリハッキョは、自分のルーツを知る唯一の学校だ。私たちは最後までたたかう。みなさんも共にたたかおう」呼びかけた。
集会では、今後の行動計画として、▼「高校無償化」適用、補助金支給を求めて文部科学省と東京都に要請を行うこと、▼各地域、学校で行われている地域交流会を通じて情報を共有し、「コリアンデー」(仮称)を設定すること、▼朝鮮学校を支援する基金の設立を検討し、都民の力を結集し、朝鮮学校を支えることなどが示された。
最後に、「高校無償化」適用、補助金支給を実現させ、「差別のない社会、人が人を尊重する社会を作る」ことなどが盛り込まれた決議が採択された。
(李泰鎬)
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