朝鮮学校差別是正訴え/6・15NY地域委が日本総領事館前でデモ
2021年11月05日 13:30 民族教育“たたかう気概に賛辞” “勝利は正義の側に”
6・15共同宣言実践米国委員会傘下のニューヨーク地域委員会(以下、6・15NY地域委)が10月28日(現地時間)、在NY日本総領事館前で日本政府の朝鮮学校差別に反対し、是正することを求めてデモ活動を行った。6・15NY地域委によると、日本における朝鮮学校差別反対運動と足並みをそろえてNYでも在米同胞が米国人とともに差別是正の声をあげようと催された。35人が約1時間にわたって民族教育の権利実現を訴えた。
朝大生の動画も活用
“아이들에게 배울 권리를!” “No discrimination against Korean School in Japan!” “在日朝鮮学校の教育平等権を保障せよ”――
この日、在NY日本総領事館前には朝日英の3カ国語で書かれたのぼり旗や横断幕がはためいた。
日本総領事館前に集ったのは、6・15NY地域委や米国の市民団体メンバーたち。NYの民族和解協力汎国民協議会(民和協)や興士団、ウリハッキョとともにする同胞の会、ノドゥットル、Veterans for Peace NJ、International Action Center, World Workers Party, Stand with Okinawaなどの市民団体が後援した。
今回の集会を開催するにあたって6・15NY地域委では、在米同胞だけでなく米国人にも参加を呼び掛けた。朝鮮学校の差別問題に関する英語で書かれた資料が限られる中、集会の趣旨を説明するのは簡単ではなかった。朝鮮大学校の学生たちが作成した動画も活用しながら朝鮮学校差別の問題が「人種差別、人権蹂躙の核心的問題」だということを訴え、説明に努めたという。
集会で参加者らは、日本政府による朝鮮学校や在日朝鮮人に対する差別、日帝の植民地支配責任について各々の思いの丈を述べた。朝鮮の民族楽器ケングァリを打ち鳴らし、ギター、ハーモニカなどの演奏が場を盛り上げた。
International Action Centerのサラ・フランダースさんは、厳しい差別を受けながらも力強く抵抗を続ける朝鮮人の気概に賛辞を送り、「最後の勝利は正義の側にある」とエールを送った。
NYに在住する日本人も声を合わせた。殿平有子さんは、「日本政府は人種主義をやめよ」と連帯を示した。有子さんは北海道で植民地期の強制労働で犠牲になった朝鮮人の遺骨発掘に長年尽力してきた殿平善彦氏の娘にあたる。
民和協のリ・ユニさんは、日本政府による人種差別と人権蹂躙を糾弾し、朝鮮学校に対し高校無償化と幼保無償化を即時適用するよう訴えた。
最後に、アピール文が読み上げられた。アピール文は、日帝の植民地支配政策によって多くの朝鮮人が日本に定住するようになった経緯や解放後に在日同胞たちが朝鮮学校をつくったことに言及。日本政府が、朝鮮学校で学ぶ子どもたちを高校無償化、幼保無償化制度から排除し、新型コロナウイルス対策の学生支援給付金制度からも朝鮮大学校を除外したことが、「深刻な人種差別であり、国連の人権条約違反」だと非難した。そのうえで、「NYに居住するコリアンと良心的な日本、米国の友は、日本政府の人種差別政策と人権蹂躙に反対する。差別政策が是正されるまで日本に暮らす同胞たちとともにする」と表明した。
6・15NY地域委のキム・スボク代表は、「祖国統一へ向かう道程で、早急に解決すべき問題の一つが朝鮮学校への差別問題だととらえて、米国でも取り組んでいきたいと考えている。次回は今回よりもっと組織的に集会を開催したい」と意気込みを語った。
(朝鮮新報)