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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 33〉「個人」が横取りする「身世打鈴」/古山高麗雄④

2021年06月20日 08:00 寄稿

古山高麗雄著「身世打鈴」(中央公論社 1980)

 

古山高麗雄には「身世打鈴」のタイトルで、1970年代後半に何度か南朝鮮を訪れた紀行と、朝鮮や軍「慰安婦」についての考えを綴ったエッセイを織り交ぜた連載があり、80年に単行本化されている。古山自身の朝鮮観が網羅されているとともに、古山個人にとどまらず同世代日本人の朝鮮認識の特徴と、おそらく今日まで連続しているその認識上の陥穽をも観察できるのではないかと考え、古山作品の読みのまとめもかねてあえて図式的に整理してみよう。

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