〈本の紹介〉レイシズムとは何か/梁英聖 著
2021年03月28日 11:36 文化・歴史はびこるレイシズムの「可視化」を
昨年5月、米国で白人警察官が無抵抗の黒人男性の首を押さえつけ、窒息死させるという事件が起きことを機に、世界各地で人種差別反対を訴える「BLM(ブラック・ライブズ・マター、黒人の命も大切だ)」運動が広がった。これらは、レイシズム(人種主義/人種差別)によって頻発するヘイトクライムへの関心を集めるきっかけとなった。
本書は政治家や極右のレイシズムを調査・分析するNGO法人「反レイシズム情報センター(ARIC)」の代表を務める著者が、在日コリアンへの差別を題材に、近代のレイシズムの歴史から現代の「ブラック・ライブズ・マター運動」の実践的意義の提示まで、普遍的にレイシズムの力学を解き明かしている。