未来に向けた新たな出発点に/東京第3初級で新校舎竣工式
2020年10月13日 15:56 民族教育東京第3初級の新校舎竣工式が11日、同校で行われた。
板橋大山の旧校舎跡地に建てられらた新校舎は鉄筋コンクリート2階建てで、屋上には人工芝の運動場を完備。1、2階には、8つの教室と教員室、大会議室、音楽室、図書コーナー、理科室などが配置され、校舎全体が吹き抜けの明るく開放的なつくりに仕上がった。またエレベーターを備えたバリアフリー設計がなされた新校舎は、各教室に、教育のICT化に対応する最新の無線インターネット設備と電子黒板が備えられたほか、冷暖房と児童らの安全面を考慮した防犯設備も整えられた。
竣工式には、総聯中央の朴久好第1副議長、宋根学副議長兼教育局長、総聯東京都本部の高徳羽委員長、東京朝鮮学園の金順彦理事長、新校舎建設委員会の李根俊委員長と建設委員、康哲敏校長をはじめとする教職員、在校生代表、学区活動家、保護者、卒業生など100余人が参加した。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、当初予定した4月から約半年の歳月を経て行われたこの日の竣工式は、徹底した感染防止対策の下で規模を縮小し進められた。また第1部の記念式典のみが行われ、第2部の祝賀行事は後日行うこととされた。
竣工式に先立ち、校舎入り口前では、朴久好第1副議長、建設委員会の李根俊委員長をはじめとする代表らがテープカットをし竣工を祝った。
竣工式ではまず、朝鮮民主主義人民共和国教育委員会と、朝鮮の連携学校から送られてきた祝電が紹介された。
つづいて朴久好第1副議長が祝辞を述べた。
第1副議長は新型コロナウイルス感染症による厳しい条件の中でも建設基金の目標額を130%達成し、竣工式当日を迎えた建設委員会をはじめとする学区の地域同胞たちに祝福のメッセージを送りながら、同校が1945年12月8日、前身となる「板橋初等学院」から始まり、今日まで75年の年輪を刻み、優秀な人材を数多く輩出してきたことに言及した。
第1副議長は、今回の新校舎建設事業が、次世代となる在日同胞3世の建設委員らが中心となり、板橋、豊島、北、練馬、埼玉西部地域の同胞たちの愛族愛国の念をひとつに結集し推し進められたと述べながら、「長年、教育的伝統のある東京第3初級における学校事業を、新たな段階に発展させる画期的な事業であり、同胞たちの祖国愛、民族愛、学校愛のもとで団結力を発揮した慶事だと」と述べた。
第1副議長は、竣工式をきっかけに「民族教育の開花期」を切り開いていくために次世代教育に総力をあげる必要性について述べた。
続いて建設委員会が制作した記念映像が上映された。
参加者たちは、学区5地域の同胞たちが代を継ぎ守ってきた同校の沿革と歴代学校関係者たちのインタビューを見ながら目頭を熱くしていた。
また竣工式では、建設委員会の李根俊委員長が事業報告を行った。
李委員長は、2009年に耐震化問題が喫緊の課題として提起されて以降、同校は諸問題を同時に解決しなければならない厳しい局面にあったことに言及。総合的な解決を模索し、学区5地域の代表らによって2010年に「懸案問題対策委員会」が発足。2年に及ぶ対策委の活動の末、地域の力で校舎を新たに建てることが決まった経緯を説明した。2018年4月、建設準備委員会の発足を経て、同年8月に建設委員会が発足した。
李委員長は、「これまでの約10年におよぶ地域同胞と学校関係者、日本の支援者らの献身的な努力と精力的な活動が積み重なり、2018年9月に始まった建設基金運動は、目標額を大幅に上回る金額を達成した」と報告した。
李委員長は、建設基金運動をはじめ新校舎建設事業を精力的に推進してきたすべての関係者に謝意と敬意を表しながら「今日、東京第3初級の未来に向けた新たな出発点に立った。『同胞愛、次世代愛、未来愛』のスローガンに従い、創立75周年を迎えた第3ハッキョが伝統をさらに輝かせていけるよう、今後も力を一つにしていこう」と参加者たちに呼びかけた。
竣工式では、新校舎建設に貢献した5人の同胞と建設業者3団体に感謝状が贈られ、同校6年生による祝賀スピーチも披露された。
「私たち家族は3代にわたってそれぞれ違う校舎で学んでいる」と話すのは、同校初級部4年と2年に子どもが通う練馬支部の金民玉さん(45、東京第3初級オモニ会副会長)。
金さんは、義父が草創期の校舎で、自身は62年に建てられた校舎でそれぞれ学び、子どもたちは今回新たに建設された校舎で学ぶことになったとしながら「新校舎に初めて訪れたときは、想像以上に魅力的な学校になっていてびっくりした。これからも子どもたちがのびのびと育つ場であってほしい」と語った。
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新校舎は2018年夏に旧校舎解体工事を経て同年12月に着工。今年1月に完成した。建設期間、児童らは仮校舎となった東京中高で約20ヵ月を過ごし、1月27日には新校舎への初登校を記念する「帰校式」が開かれていた。
(文・韓賢珠、金紗栄、写真・盧琴順)