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「高校無償化」 都下教員ら、文科省に要請

2012年03月08日 15:48 民族教育

卒業生たちの思いを代弁

朝鮮学校への「高校無償化」制度即時適用を求め、在日本朝鮮人教職員同盟中央本部の役員をはじめ、東京都下の朝鮮学校教員らが7日、文科省を訪れた。一行は、平野文科相あての要請書を関係者に手渡した。

席上、一行は、東京朝鮮中高級学校高級部の卒業式(4日)当日、「無償化」制度が適用されず、後輩たちに陳謝する卒業生代表の言葉に心打たれながら、「もうこれ以上の犠牲を払わせたくない。そうしてはならないと心を強くしている」とし、一刻も早く制度適用が実現されることを強く要求した。

東京中高教員の金斗植さんは、今年度の卒業生たちと1年から3年まで学年主任として共に過ごした3年間は、楽しい思い出もたくさんあるが、「無償化」制度の実現のためにたたかってきた日々でもあったとしながら、問題が好転するたびに生徒たちに朗報が舞い降りそうだと話してきたが、結局何度も嘘をつかされたようで良心の呵責を感じたと話した。また、「『無償化』問題だけでなく、補助金打ち切りなどが浮上し、朝鮮学校全体に深刻な被害が広がっており、直接的な被害者は子どもたちと保護者である。この開けた時代に、日本だけがなぜ逆行していくのか。卒業間近までデモに参加し、声を上げてきたのに報われなかった子どもたちは悔しい思いで卒業していった」と訴えた。

同校教員の申琴繍さんは、今年度卒業生の担任として生徒たちの姿を見ながら、子どもたちの学ぶ権利に政治問題を絡め、未来を創っていく生徒たち一人ひとりの心を踏みにじることは許されないとしながら、「首相も文科相も権利や地位の前に、一人間として向き合うべき。この先このような差別が続く限り、どんなことがあってもたたかっていく」と切実に語った。

同校の今年度卒業生たちの担任を3年間受け持ってきたという趙嬉淑さんも、生徒たちが味わってきたつらい思いを述べながら、「朝鮮学校は日本の生徒たちや市民たちと互いに理解を深めていくきっかけを作る場でもある。シンポジウムやスポーツ交流など地域交流をしている」と指摘。「日本の人たちにとっても、国際化のうえで朝鮮学校はプラスの存在であり、朝鮮学校の子どもたちも自国の歴史や文化を学びながら、日本の人々と友好的につき合っていくことが大事。子どもたちの姿を見て、どういうアジアの未来を創っていくか考えて判断してほしい」。

また、一行は、「どのように日本社会に貢献できるかを教えている」「朝鮮学校は、文科省の要求に誠実に応えている。真摯に取り組めば、すぐに解決できるはず」「首相は国会で『無償化』制度の意義を立派に答弁していたが、朝鮮学校の子どもたちだけが置いてきぼりにされているというのは通じない」などと訴えた。

(姜裕香)

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