〈コロナ禍を生きる 4〉製造業/一日一日、コツコツと
2020年09月16日 10:54 暮らし・活動世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、同胞たちの生活にも大きな影響を及ぼしている。連載「コロナ禍を生きる」(月2回連載予定)では、未曽有の状況に直面しながらも奮闘する同胞たちを業種別に紹介していく。
20年の積み重ねが「財産」/コグリョフーズ株式会社社長・裵明基さん(42)
JR武蔵野線「東川口」駅(埼玉県川口市)から10分ほど歩くと見えてくるのが「焼肉 高句麗」。立派な槇の木の下をくぐり店内に入ると、自慢のカサブランカが客を迎え入れる。店内を見回すと朝鮮から取り寄せた刺繍が壁いっぱいに広がり、入口から店内のいたる所にこだわりが垣間見える。そんな焼肉店・高句麗と、敷地内に併設されたキムチ製造・販売会社「コグリョフーズ株式会社」の社長を務めるのが、裵明基さんだ。
高句麗ができたのは20年前のこと。現在も会長を務める父の裵光幸さん(72)が、当時はまだ飲食店の少なかった東川口付近に「本格的な焼き肉屋を作りたい」とオープンした。朝鮮人のプライドにかけて一流の焼き肉屋を作ろうと、食材はもちろん、建材やインテリアにいたるまでこだわり抜いた。