〈幼保無償化〉署名の思い、受け止めて/広島、千葉
2020年09月01日 09:21 民族教育朝鮮幼稚園への幼保無償化適用を求め、8月26日に行われた広島、千葉の朝鮮学校関係者たちによる要請活動。要請の場であった発言について、以下紹介する。
広島初中高 李昌興校長
広島の朝鮮学校は現在、広島県、広島市から本来支給されていた助成金がすべてカットされている。保護者たちは経済的負担が大きいなか、子どもたちに自らのルーツとなる民族について学ばせたいという一心で朝鮮学校に送っている。生徒たちは街頭に立って声を上げ、日本の支援団体は毎日のように募金をしてくれる。コロナ禍でたいへんだが子どもの教育の問題は必ず解決しなくてはいけない。
千葉初中 金有燮校長
4年前、朝日新聞でこんな川柳が紹介されていた。
「在日はいじめようねと文科省」
まさにこの状況が今でも続いている。千葉初中では、朝鮮高校が高校無償化から除外されてから、千葉県、千葉市と立て続けに補助金が不支給になった。そんな時、日本の支援団体が立ち上がってくれた。2カ月間募金を募り、多額のお金を寄付してくれた。県や市は朝鮮学校に対する支援を打ち切る際、県民感情や市民感情を口実にするが、私はこの集まった寄付金が本当の県民感情であり市民感情だと思っている。
東京純心大学 佐野通夫客員教授
6月から行われてきた要請活動がきょうで10回目、最後となる。これまで朝鮮学校関係者らが提出してきた数々の署名について、省内でどのような共有がされたのか。署名一枚一枚に在日朝鮮人の方がたや朝鮮学校を支援する方たちの思いが詰まっているということをしっかり受け止めてほしい。
これから日本の幼児教育施策を作っていく立場にいる人として、関係府庁職員のみなさんもすべての子どもたちが大事にされるための施策を考えてほしい。
「日朝友好千葉県の会」 堀川久司事務局長
在日朝鮮人も日本人と等しく納税している。しかし日本政府はその義務に対する還元において、在日朝鮮人だけを排除している。納得がいかない。
朝鮮学校ではみんな学校のことを「ウリハッキョ」と呼び親しんでいる。「ウリ」は私たち、「ハッキョ」は学校という意味で、地元の在日朝鮮人の方がたも「学校は生命線」だという。
入学式などに行くと、最初は日本語しか喋れなかった児童が、1年が経ち朝鮮語を達者に喋っている姿などを見ることができる。私は県立高校の教員をした経験があるが、日本の英語教育は朝鮮語の語学教育に学ぶところがたくさんあると思っている。
必ず国、自治体が責任をもって朝鮮学校に同等の権利を与えるべきだ。
(金紗栄)