〈幼保無償化〉「同じスタートラインに」/宮城、北海道の関係者らの要請で
2020年07月20日 19:00 民族教育16日、幼保無償化を求め行われた関係府省への要請活動では、宮城、北海道をはじめとした朝鮮学校の関係者や日本人支援者、議員らによる発言があった。その一部を紹介する。(丁用根)
北海道朝鮮学園・申京和副理事長
札幌市には子どもたちに最善の権利を与えようと作られた条例がある。また、日本は95年に子どもの権利条約を批准した。長年教師をしてきて、朝鮮学校の子どもたちへのさまざまな差別を見てきた。インターハイの出場資格が認められたように、朝鮮の子どもたちもほかの子どもたちと同じスタートラインに立たせてほしい。生きる権利、学ぶ権利、守られる権利、参加する権利を朝鮮の子どもたちにも等しく保障してほしい。
東北朝鮮初中級学校の教育活動を支援する宮城県民の会・工藤章人さん
この間、微力ながら署名活動に参加した。朝鮮学校に無関心で、この問題についても何も知らない日本人が多いことを痛感した。署名には各地の関係者らの思いが詰まっている。署名の重みをしっかりと感じてほしい。そして朝鮮幼稚園に幼保無償化を即刻適用してほしい。
西東京第1初中付属幼稚班・方香織主任
朝鮮幼稚園では日本の幼稚園教育要領や指針にそって、特に「生きる力」を育むための教育・教養に力を入れている。西東京第1幼稚園は各種学校幼稚部としての認可を得ている。そうした実態をしっかりと考慮し、判断すべきだ。日本の幼稚園に通う園児らと何ら変わりない笑顔が朝鮮幼稚園にもある。園児たちの姿をしっかりと見てほしい。
平和フォーラム・藤本泰成共同代表
マイノリティーの人権が守られなかったら、いずれわれわれの人権もないがしろにされていくだろう。私は何人も差別されることなく、個人として尊重される当たり前の社会を実現するためにこの場に立っている。すべての子どもたちが健やかに育つことができるよう、法律や制度の壁があるならそれを乗り越えるために力を尽くしてほしい。
立憲民主党・石橋通宏参議院議員
朝鮮幼稚園が幼保無償化の対象外となった件について、この間保護者の方々が要請に来られて、われわれも様々な働きかけをさせてもらった。(朝鮮幼稚園関係や保護者らと)まったく思いは同じだ。すべての子どもたちのための支援制度に、なぜ、差別があるのか。決してあってはならないことだ。関係府省には昨年から継続して再検討をお願いしてきた。これからも皆さんと連携して行動していきたい。
国民民主党・城井崇衆議院議員
子どもたちの間に線を引くようなことはあってはならない、すべての子どもたちの育ち、学びをしっかりと支えるのは当たり前だという気持ちでこの問題に取り組んでいる。国会での取り組みにくわえ、現在、超党派の議員らで幼児教育振興法案という議員立法を作成している。未就学の子どもたちの学びを支える法律になるよう努力していきたい。今日聞いた現場の声を胸に刻みながら、政治の側からきっかけを作っていきたい。