〈World Opinion〉常軌を逸した米国の非道/コモン・ドリームズ
2020年04月09日 14:57 対外・国際対イラン制裁は市民に対する細菌戦
米国のニュースサイト「コモン・ドリームズ」は3月28日、「対イラン制裁は市民に対する細菌戦」と題する記事を載せた。以下は要旨。
◇
新型コロナウイルスによる肺炎のパンデミックが発生する以前でさえ、イランの市民の間では米国による制裁の結果、多くの病人、死者が出ていた。NGOのヒューマンライツウォッチの報告によると、経済制裁は「人道に関わる分野は除外」されていたにも拘わらず、疾病や厳しい医療状況のために苦しむイラン市民に不必要な弊害を及ぼしていた。
「ランセット医療ジャーナル」の記事は、2018年11月の時点で、制裁は「がんに侵された子どもの生存率の低下につながることは避けられない」と結論づけた。
イランの核医学の医師はまた他の医療ジャーナルで、制裁によって医療会社が必需品を入手するのをきわめて困難にしているが、それは原子力機関による規制のために手続きが複雑になっているからである。結論は、「最重症患者が最も影響を受けているのは小どもをはじめ、がん、血友病、心血管疾患、喘息、てんかんの患者」である。
それはパンデミック発生以前のことだが、今はどうなのか? 「イランはイタリアと同じだ」「ステロイドを使っているだけだ」と元米国務省関係者は言った。イラン人は、パンデミックが猛威を振るっているときでさえ必須の医薬品を奪われている。制裁はイランの指導者が対象ではなく、ほとんどが手当を必要としている人たちだ。一般市民を標的にしているこの制裁は、国際法、そして米国の法律にも明らかに違反している。
剥奪による殺害はイランの文化、歴史の中心テーマだ。預言者ムハンマドの孫で第3代のイマーム・フセインは敵対勢力によって水の供給を拒まれ、息子は矢に射られて死に、本人も戦死する。それは制裁と殉死を思い起こさせる。
今や、奇しくも米国は無慈悲で残忍な昔の敵の役を演じており、権力を振りかざして子どもたちを死に追いやることを厭わない。それは、何世代にもわたって共振しながら地域と世界を不安定にするものである。
ポンぺオ国務長官やその参謀たちはイランを苦しめるため制裁を最大限に強化しながら医療器具などには適用しないとうそぶいている。
制裁はすでに死と苦難をもたらしており、以前から続いている医療関連製品や補給品の不足によってパンデミックへと突入している。制裁の継続はさらに多くの死を招くだけである。
(朝鮮新報)