〈本の紹介〉トリック―「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち/加藤直樹著
2019年09月02日 12:16 歴史「トリック」の正体とは
「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち。現代日本をとりまく歴史修正の流れが加速するなか、これほどにいまの状況とぴったりなタイトルはない。ネット空間だけでなく、本を通じ誤った認識を拡散させる否定論者たちによって、「流言やヘイトでさえ、検証せず真実と捉えられる」現状がいま、日本社会を蝕んでいる。
本書は、1923年9月1日、相模原沖一帯で発生したマグニチュード7・9の大地震(関東大震災)と火災による大混乱のなか、流言飛語により虐殺された約6千人の朝鮮人の存在を照らし、事実のごとく拡散される「虐殺否定」論者たちのデマを検証しながら、仕掛けられた「トリック」の正体を明らかにした。