〈本の紹介〉鄭日鮮歌集「生きて来たりぬ」
2019年06月02日 12:13 文化在日朝鮮人のルーツと人生
この歌集の作者である鄭日鮮さんは、1930年に和歌山県で生まれた在日2世。
1世であった両親とは10代半ばで死別し、多くのことを直接聞くことはできなかったという。彼女の両親は、和歌山県の紀勢線の工事に関わっていた。
「ハンマー振り線路に敷き積むバラス割り白いチョゴリの母の悲しみ」
この歌は、鄭さんが7歳の頃に見た母の姿を詠んだものだ。
和歌山から夕張の炭鉱へ。歌集には生活のため異国の土地を転々としながら、過酷な労働に耐えてきた朝鮮人の姿が描かれている。