〈徐千夏先生の保健だより〉「眠りは子どもの脳の主要活動」
2012年09月08日 09:43 文化・歴史1年のうち一番長い夏休みが明け、新学期に突入しました。お子さんも保護者さんも生活リズムはちゃんと取り戻せているでしょうか。
まだ年齢が小さいお子さんは毎朝泣きながらのお別れを強いられ保護者の方も後ろ髪を引かれる思いではないでしょうか。クラブ活動に明け暮れていた学生たちは小麦色に日焼けし、また一段と成長したりりしい表情が印象的でした。
授業中はまだまだ45分集中できる気候でもなく、子どもたちは友人との再会に目を輝かせながらも、そわそわしている感じでしょうか。
さて、生活リズムはすぐには戻らず徐々に戻していく必要があります。そこで一番大事なのは「睡眠」ではないでしょうか。
日本の赤ちゃんの睡眠時間は世界で一番短いという調査があります。同時に日本に住む大人の睡眠時間もトップクラスの短さ。しかも近年急激に短くなってきているそうです。過去50年で日本の睡眠時間は59分減った、大人が眠りを大切にしないで子どもの眠りは保障されるわけがない、と指摘されています。(日本保育園保健協議会より)
●睡眠の意義と効果
①脳を休める(集中力低下やイライラを防ぐ)
②身体を休める(筋肉を和らげることで疲労を取り除く)
③自律神経を休める(神経や脳をリラックスさせる)
④細胞を新しくする(成長ホルモンを分泌させ生き生きさせる)
睡眠不足が長期継続されると、脳神経細胞が壊され、認知機能が損なわれるとともに、生物時計が混乱します。要は(見たり・覚えたり・学んだり・考えたりする機能が働きにくくなる状態になります。)
また睡眠30分前は静かに過ごしましょう。携帯・音楽・テレビなどは脳が興奮するので極力控え、部屋は暗めにして簡単なストレッチや絵本を読んであげるなどして質の高い眠りの準備を整えましょう。
●大切な『スリープヘルス+α』(健康な眠りの4項目)
①朝の光を浴びること
②昼間に活動すること
③夜は暗いところで眠ること
④規則的な食事をとること
α 眠気をじゃまするカフェインやアルコール・ニコチンを避け、興奮するメディア
(テレビなど)を避ける
眠りだけではなく食べることや排泄することもバランスをしっかりとって「ガマン」「辛抱」ではなく『快い感じ』をもっと大切にしましょう。
●小学3年生まではせめて睡眠10時間は確保してあげましょう。
中学生9時間・高校生8時間が理想的です。
大人も子どもも…せめて子どもが小さい間は大人も…夜はしっかり眠って昼間はしっかり効率的に活動したいものです。
(朝鮮新報)