20年かけた作品を初披露/尹東柱による連作歌曲「空と風と星と詩」演奏会&トーク
2026年02月23日 10:59 文化・歴史
連作歌曲「空と風と星と詩」演奏会&トークが行われた
尹東柱による連作歌曲「空と風と星と詩」演奏会&トーク(主催=同志社コリア研究センター)が11日、京都の同志社大学寒梅館ハーディーホールで行われた。
尹東柱(1917~45)は朝鮮が日本の植民地支配下にあった1942年10月、同志社大学に入学した。そして、43年7月に朝鮮語で詩を書いたことで治安維持法違反の罪に問われ逮捕された。44年3月、京都地方裁判所で懲役2年の判決を受け、翌年の2月に福岡刑務所で27歳の若さで獄死した。解放後48年に詩集「空と風と星と詩(하늘과 바람과 별과 시)」が出版。同志社大学内には、95年2月16日に尹東柱没後50年を記念し建立された「尹東柱詩碑」が佇んでいる。
同連作歌曲は文芸同中央音楽部顧問の金学権さんが2005年に尹東柱の7つの詩を選んで作曲し、その後20年の間に10回の手直しを経て、2025年に完成させた。
尹東柱の「魂の叫び」に金さん自身の「魂の叫び」で20年の歳月をかけて完成させた連作歌曲を、ソプラノ歌手の韓錦玉さんとピアノ演奏家の趙博美さんが披露した。初披露の場となった演奏会には、約120人の同胞や日本の市民が訪れ、音楽に聞き入った。

連作歌曲に込めた思いを語る金学権さん
演奏会に先立ち行われた講演会では、金学権さんが連作歌曲に込めた思いを語った。
金さんは、「尹東柱は死を覚悟し、植民地と化した祖国を憂い、日本の地で朝鮮語で詩を書き続けた。かれの詩には世に恥じることなく生きるという、自分に対する妥協なき突き詰めが一貫されていた」とし、「これまで在日同胞たちが親しみやすく口ずさみやすい曲を作ってきたが、今回の連作歌曲の制作は在日朝鮮人の歴史に財産を残すという思いで取り組んだ」と説明した。
家族と共に大阪から演奏会に訪れた崔奈央さん(30)は、「尹東柱の詩は朝鮮学校に通った頃に国語や歴史の授業で習ったことはあったが、曲として聞くことで、尹東柱が伝えたかった思いと作曲家がかれの詩に対して抱いた感情の両方を感じることができた。迫力ある歌声と演奏でとても圧倒された」と、感想を語った。
(尹佳蓮)