〈学美の世界 81〉自分と他者と成長/金龍主
2026年01月24日 07:00 主要ニュース中級部生は難しい時期である。身体も心も大きく変化し、子どもと大人の狭間で揺れ動きながら、自分とは何者なのか、他者とどう関わるべきなのかを模索する時期だからだ。周りの目を意識し、理想の自分と現実の自分のギャップに悩むことも多いだろう。しかし、そんな中で自分自身をどう理解し、世界をどう捉えるかを試行錯誤していく過程こそが、成長に繋がっていく。今回紹介する二点は、まさにその揺らぎの只中にいる一人の作者が、自身の内面と真剣に向き合い、世界を理解しようとした思考の軌跡の作品である。
無数の球体と人影が象徴的に描かれた一作目は、タイトル通り「人の成長」をテーマにしている。
球体は経験や価値観の蓄積を表現しており、それらの上に浮かぶ人影は、各々が選んだ人生の進み方そのものだろう。先へ進む者、立ち止まる者、落ちそうになる者、様々な者が同時に存在する構図は、優劣ではなく「違い」として人間を捉えていることがわかる。まさに、この作品は成長の不確定さと個人差を否定することなく、美しいものとして表現している。
