排外主義を歴史的視点から考察 /「戦後/解放80周年記念京都講演会」
2025年12月25日 12:03 暮らし・活動
「戦後/解放80周年記念京都講演会」が行われた
「戦後/解放80周年記念京都講演会」が12月1日にラボール京都で行われ、同胞や日本市民220人が参加した。
実行委員会と文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネットが共催して行われた講演会は、戦後、祖国解放80周年の歴史をどう見るかについて考えるとともに、日本で問題となっている排外主義について歴史的視点から考察することを目的として開催された。
講演会ではまず、1945年8月24日に発生した浮島丸爆沈について、その歴史と現在の取り組みの映像が上映された。

鄭栄桓教授による講演「戦後/解放80年史からみる日本の排外主義」
続いて、「戦後/解放80年史からみる日本の排外主義」をテーマに、明治学院大学の鄭栄桓教授が講演を行った。
鄭教授はまず、昨今広がりを見せる「日本人ファースト」言説と政府による「外国人政策の見直し」、今日の日本の歴史認識について言及。その原型となった1945年以前と以後の「歴史」の中の民族教育に対する弾圧をはじめとした日本政府による在日朝鮮人差別政策、そして現在の対朝鮮独自制裁と「朝鮮に関する知識の安全保障化」について述べ、排外主義の問題について歴史的視点から捉えることの重要性を訴えた。
質疑応答が行われた後、主催者より日本社会で吹き荒れる排外主義に抗ってともに活動していこうというアピールがあった。
参加者からは、「解放直後からの在日朝鮮人の法的地位、その差別性について改めて知る機会となった」、「日本の政治がいかに在日朝鮮人を差別し、その尊厳を踏みにじってきたのか深く知ることができた」、「日本の排外主義は一朝一夕で生まれたものではなく、その根底に在日朝鮮人差別があることを痛感した」などの感想が寄せられた。
【京都支局】