東京公演、1,700人を魅了/朝鮮歌舞団創団60周年記念ツアー公演
2025年12月12日 13:53 文化・歴史 文化
(写真はすべて盧琴順撮影)
朝鮮歌舞団創団60周年を記念して、日本各地6つの朝鮮歌舞団(東京、京都、大阪、兵庫、広島、福岡)が合同で行うツアー公演「還暦大祝宴(환갑대잔치)」が11日、東京のサンパール荒川で千秋楽を迎えた。昼と夜の2回行われた東京公演に、総聯中央の朴久好第1副議長兼組織局長と各副議長、総聯東京都本部の高徳羽委員長をはじめとした神奈川、千葉、埼玉、山口、福岡の総聯本部委員長ら、中央団体・事業体の幹部、各界各層の同胞、日本の人士、市民ら約1700人が訪れた。
1部は、全団員が出演する「チュッカハムニダ(축하합니다)」と「パンガプスムニダ(반갑습니다)」で幕開け。笑いを誘う演出で各地歌舞団が紹介され、続いて先代団員たちの功績と活動が回想された。さらに、歌舞団が歩んできた60年の歴史を振り返るべく、「祖国に行く道」、「豊年太鼓の踊り」など、同胞たちに長く親しまれてきた作品や朝鮮の名作が次々と舞台に上がった。

1部の終盤には、声楽手たちが朝鮮学校への思いを込めて「声よ集まれ歌となれ」を歌い上げた。観覧席には団員たちと心を共にし、涙を流す観客たちもいた。
最後の演目「我らの誇り限りなし」では再び全団員が舞台に立ち、創団60周年を迎えた誇りを力強く華やかに表現。見応えある演出に観客からは大きな拍手が送られ、盛況のうちに公演の1部が締めくくられた。

2部は、60周年を迎えた感謝と未来への決意を込めた斬新な演目が舞台を彩った。
舞台では、コンテンポラリー・ダンスの要素を取り入れた創作作品「潔・結・決」を皮切りに、女声コーラスのハーモニーが響く名曲「Song of Korea (조선의 노래)」のアレンジ作品、美しくも躍動感あふれる「チャンゴの舞」、カヤグムの伴奏に合わせて情感豊かに歌い上げる「海の豊漁歌」、若手舞踊手たちのスピード感が際立つ「小太鼓の舞」などが続いた。
その後、大阪歌舞団で恒例となっている抽選会が行われ、趙正心団長の進行のもと、同歌舞団OGらが準備した豪華賞品が当選者に贈られた。

和やかな抽選会を挟み、2部終盤では声楽手らが祖国と共に歩んでいく思いを込め、「栄えあれ、祖国よ」の歌を披露した。エンディングで舞台を華やかに締め括ったのは、同胞たちが愛してやまない民謡「モランボン(모란봉)」。団員たちの歌に合わせて踊り、歌声を重ねる観客の姿も見られた。最後には出演者と会場が一体となり、公演は大きな感動と興奮のうちに幕を閉じた。公演終了後にも拍手が鳴りやまず、中にはスタンディングオベーションで団員たちを労い、称賛を送る観覧者たちもいた。
東京歌舞団の李允彰団長(2008年入団)は、「大阪と京都での公演を無事に終え、地元の同胞たちにも早く公演を見てもらいたいというわくわくした気持ちでいっぱいだった。歌舞団が60年間にわたり同胞たちから愛され、期待に応えてきた道のりが、観客の笑顔や拍手、歓声に現れたのではないか」と、公演を振り返った。
そして、「合同公演を通じて育んだ同胞たちと他の地域の団員たちの繋がりを、これからも大切にしていきたい。『同胞たちから愛され、同胞たちを愛する』、この相関関係の中で朝鮮の芸術をどう伝えていくのか。その方法を模索し、これからも同胞たちとともに歩んでいきたい」と語った。
大阪歌舞団の金詩温団員(20年入団)は「大阪歌舞団が関東地方で公演を行うのは滅多にない。公演が始まる前は不安があったが、地元での公演とは変わらぬ熱量の拍手と歓声に、そんな心配はすぐ吹き飛んだ」とし、ツアー公演を振り返りながら、こう語った。
「日本各地で『朝鮮歌舞団はなくてはならない』と言ってくれる同胞が大勢いることを知り、胸が熱くなった。同時に、団員としての誇りをあらためて強く感じた。公演の規模や地域以上に、同胞たちと心を通わせ、どれだけ深い情で結ばれるかが何より大切だと実感したツアー公演だった」(金団員)
兵庫歌舞団の白聖蘭副団長(22年入団)は、「4月から練習が始まり、常に同胞たちの喜ぶ姿を頭に思い浮かべながら練習に取り組んできた。6地域の歌舞団団員と日本各地の同胞たちと共に創団60周年を祝うことができたことをとても嬉しく思う」と笑顔を見せた。そのうえで、「24人の団員たちで大きな舞台に立ち、総合芸術公演を作り上げることは、決して簡単ではなかった。これからも新しいことにチャレンジし続ける歌舞団の姿を、温かく見守ってほしい」と語った。

各地歌舞団による舞台は観客たちに大きな感動を与えた。
東京中高の姜希奈さん(中3)は、「オモニが発売初日にチケットを購入するほど、家族全員でこの公演を心待ちにしていた。幕が上がった瞬間から芸術の世界観に引き込まれた」と興奮したようすで語った。舞踊部の主将を務める姜さんは、「舞台で美しく踊る舞踊手たちを見て、自分ももっと上手に踊れるようになりたいと強く思った。高級部に進学しても引き続き舞踊を続け、技術を磨きたい」と力を込めた。
静岡県から訪れた李美鮮さん(60)は、「すべての演目が素晴らしかった。民族教育を受け歌舞団の道を選んだ団員たちが、これからも各地の同胞に力と勇気を届けていこうとする思いがひしひしと伝わってきた。東京まで公演を見に来て正解だった」と絶賛。また、「若い世代の団員が会場を盛り上げるパワフルな姿も印象に残った」としながら、「60年間世代を超えて同胞たちに愛され続けてきた歌舞団を、これからも応援していきたい」と語った。
東京朝高舞踊部の南梨温さん(高2)は、「担任の先生をはじめ、いろいろな人に歌舞団公演が素晴らしいという評判を聞いて公演を見ることにした」としながら、「小太鼓の舞がどれくらいスタミナが必要な演目かわかるが、その演目を終えた後、同胞のアンコールに応える姿に感銘を受けた。今日の公演を見て大きな力をもらった。これから同胞の前や対外公演の舞台で踊る時には、歌舞団のように観覧者に感動を与えたい」と語った。
今回の公演は日本の市民らも魅了した。
大松あきら都議(公明党)は、「とにかく素晴らしい公演だった。歌舞団ならではのコンセプトが舞台全体から伝わり、その力強さに感動してパワーをもらった。公演を通じて、在日朝鮮人が芸術文化を大切な宝として受け継いできたことを実感した」と語った。
(取材班)
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