生活に根ざした技術革新/軽工業製品の発展像
2025年12月13日 08:00 経済2025年の朝鮮経済を語るうえで、10月に平壌で開催された軽工業製品展示会「軽工業発展−2025」は大きな意味を持つイベントになった。展示会では、技術革新の進展、国産化の深化、そして地方工業の活力が、数々の製品を通じて示された。
家電製品の進化
同展示会には全国から580余りの工場や企業が参加し、出品点数は6万8千点に達した。その数は、2年前に初めて行われた軽工業製品展示会「軽工業発展−2023」の5倍以上。軽工業分野の勢いをそのまま映し出していた。
会場でひときわ注目を集めたのは、国内で開発・製造された家電製品の進化だ。
多機能電気炊飯器、洗濯機、冷蔵庫、電気アイロン、エアコン、家庭用パン焼き機…。23年の展示会では試作品として展示された家電製品が、今年は洗練されたデザイン性と機能を備えた製品として並び、国内工場の生産ライン整備が進んでいることが示された。
展示スタッフによると、洗濯機は電力消費や価格の問題から普及が進まない実情があり、省電力・低価格型の開発へシフト。また、他の家電製品の開発にもユーザーのニーズを反映した。このような取り組みが功を奏し、今回の展示期間中には「やはり国産品が良い」という感想が来場者から多く聞かれたという。こうした声は、市民たちが家庭用電気製品でも国産ブランドへの信頼を強めつつあることを物語っていた。
スマートフォン分野でも国産技術は存在感を放った。
国内ブランドである「チンダルレ」「プルンハヌル」「ソナム」の製品は、従来モデルからさらに性能が向上。とりわけ、大容量バッテリーと108メガピクセルの高精細カメラを備えた「ソナム383」が、ユーザーから高い支持を得ている。出品企業では早くも新機種の開発が始まっており、通信・情報技術分野で国内企業が着実に技術力を培っていることがうかがえた。
地方産業工場の躍進
一方、地方の資源を生かした多彩な特産品や日用品の展示は、新たに建設された地方産業工場の力を映し出した。
展示会期間中、平壌市民の関心を集めたのは、成川郡(平安南道)の栗加工品、燕灘郡(黄海北道)のアロニア製品、新浦市(咸鏡南道)の水産加工品など。さらに展示ブースには、20余りの市・郡から味噌や醤油、食用油、洗濯石けんといった基礎食品や一次消費財、各種衣料品なども多数並んだ。日常生活を支える製品が充実する様子からは、地方に暮らす人々の物質文化生活が着実に向上していることが感じられた。それはまた。「地方発展20×10政策」の実効性と、地方産業が持つポテンシャルを裏づけた。
食品分野の生産単位でも開発競争が一段と活発化している。
大同江ビールがIPAやフルーツ系ビールなど10種以上の新商品を発表し、大同江クムオク即席飯工場も新開発のインスタント飯やインスタント麺などを出品。消費者の幅広い需要に応えようとする企業努力が、軽工業分野のさらなる発展を後押ししていることを感じさせた。
展示会に並んだ製品には、より使いやすく、より良いものを目指す生産現場の工夫が随所に込められていた。家電から食品、日用品にいたるまで、単なる品目の増加ではなく、性能や仕上がりを一段と高めようとする取り組みが着実に広がっている。こうした積み重ねは、国産化の推進や地方産業の成長と結び付き、軽工業全体に新たな活力をもたらしている。今年の展示会は、その変化を来場者が直接実感し、今後の産業発展への明るい期待を抱かせる機会となった。
(朝鮮新報)



