朝鮮新報と私・下
2025年11月07日 09:00 寄稿朝鮮新報創刊80周年に際し、「朝鮮新報と私」をテーマとする投稿が寄せられた。日本語版の投稿を3回に分けて紹介する。
新報を通じて朝鮮文化を勉強
私は朝鮮の文化がとても好きです。
気品と誇りが感じられる言葉、優美さの中に伝統が込められた民謡。愛してやまないこれらの文化を、直に伝えてくれるのが私にとっての朝鮮新報です。
金剛山歌劇団のファンである私にとって、かれかのじょらの活動を伝えてくれる記事は、ますます朝鮮文化への憧れを募らせるものでした。
また朝鮮新報の漫画「イプニ」も大好きで、本を持っています。登場人物たちが生き生きと、まさに呼吸をしているかのように描かれるこの作品は、大変愛らしい作品だと思います。人々の生活、そして人々の精神性を描いたこの作品は、現在を生きる私のような日本人も背筋が正され、でも温かな団らんの中に心が溶け込めるような、そんな嬉しい作品です。
まだまだ朝鮮のことを知らない私ですが、これからも朝鮮新報の記事を読みながら、少しずつ勉強していきたいです。きっと、知ることが、私個人の喜びだけでなく、誰かの笑顔に繋がると信じて。
(中本こだま・愛知県在住)
楽しい「ネタ」探し
私の日常の楽しみの一つに、ウリハッキョで共に学んだ同窓生たちの日本各地で頑張っている情報探し、いわゆる朝鮮新報をくまなく読みながらの「ネタ」探しがあります。
すべての記事に貴重な情報が盛り込まれているのは承知の上で、とくに同胞・生活欄に紹介された写真、記事は老眼鏡をかけながら見落としの無いように「ネタ」を探します。
例えば朝大同窓生ネタを見つければ、早朝であろうと(深夜、明け方はさすがに遠慮します)すかさず34人の同窓生LINEに、写真がなくても記事に紹介されている名前だけでも線を引いて写メして送ります。
すると数分後に「ネタ」の主人公あてに、励ましや応援のメッセージ、スタンプ着信の連打が始まります。
卒業して35年が経ついまでもあの時と変わらない絆を新報を「利用」しながら確認し、私自身も励まされ力をもらっている毎日です。
(総聯埼玉管下分会長)
時空を超える朝鮮新報
「機関紙が時空を超える? そんなことあるはずがない」。そう思う人が多いだろう。
もちろん、日本を含めたいわゆる「西側報道」では知ることのできない貴重な情報や、祖国の情勢を逐一知らせてくれるという機関紙本来の機能はある。日本学校出身者としては、朝鮮語学習にも役立っている。
しかし、それだけではない。この日本社会において朝鮮学校の保護者であったり関係者であることは、やりがいや幸福感はあれど、決して楽ではないし孤独を感じることもある。そんな時、新報を介して遠く離れた同胞たちの行事や活躍している姿に触れたり、検索機能などで過去の記事に出てくる先代たちの生きざまを知ることで、刺激を受け、知恵を授かり、孤独ではないと思え励まされるのだ。
朝鮮民族であると自覚するということは、個人だけでは不可能である。民族という集団の中の一人であると思えてはじめて成り立つ。新報は、今日も時空を超えて私に「民族の縁」をつなげてくれている。
(朴賢憲・京都第2初級教育会理事)
朝鮮新報と私・上