〈私のノート 太平洋から東海へ 6〉「石破所感」と、東京での一日/乗松聡子
2025年11月03日 09:00 寄稿
8月15日の「全国戦没者追悼式」で石破茂首相が語った「反省」とは何だったのでしょうか。10月10日発表の「戦後80年所感」で判明しました。既に退陣を表明し、自民党総裁も高市早苗氏に決まっていたので、「死に体」であった石破氏は、踏み込んだ反省もできたはずです。
「所感」は、「なぜ当時の日本は戦争を止められなかったか」という問いを設定し、文民統制の欠如、政治や議会の機能不全、メディアの翼賛化などを挙げながら説明する内容でした。しかし肝心の被害国に対する言葉が皆無でした。日本の首相が戦後初めて侵略戦争と植民地支配に「お詫び」を述べた1995年の「村山談話」の約5倍の長さの文