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〈記者が記した歴史の瞬間①〉結束と闘いの証/創刊から強制停刊、復刊へ

2025年10月10日 07:42 文化・歴史

創刊から80年。朝鮮新報は祖国と同胞をつなぎ、同胞の生活と運動を記録し続けてきた。本連載では、紙面に刻まれた記者の行動や眼差しなどを手がかりに報道の軌跡を振り返る。第1回は、戦後直後の「民衆新聞」誕生から「解放新聞」復刊に至るまでの歩みを追う。

ペンで弾圧に抗い

在日本朝鮮人聯盟(朝聯)結成に際して発刊された民衆新聞1945年10月15日付特集号

1945年10月、東京の一角で一枚の新聞が刷り上がった。題号は「民衆新聞」。在日本朝鮮人聯盟(朝聯)の結成日に合わせて民衆新聞社が発行した特集号(当時、旬刊)はタブロイド判2ページの謄写版刷りで、紙面には朝聯結成大会の参加者に対して、祖国建設と組織の発展のために団結することを呼びかける文言が刻まれていた。

2ページ目の下段には、民衆新聞社の創立を祝して寄付金を寄せた人々の名と金額が並ぶ。金100円、金10円、金3円。資金はもちろん活字や用紙の調達さえままならない状況で刷られた新聞は、同胞が力を出し合い声を形にした証だった。

民衆新聞の特集号は朝聯結成大会(写真)の会場で配布された

翌年3月25日、民衆新聞は活版印刷へ移行する。幾多の制約を抱えながら刊行にこぎつけた新聞は、「結束・誠熱・闘争の所産」と題して、活字版発行を同胞らと手にした共同の成果と記録。また、新聞社の事業のさらなる発展を誓いながら、読者たちへよりいっそうの支援を呼びかけた。

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