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〈学美の世界 77〉他では見られない特徴/朴一南

2025年09月07日 07:00 寄稿

51回在日朝鮮学生美術展・島根展が、松江にある島根県立美術館で2月28日~3月3日に開催された。かつて島根県松江市に存在した、山陰地方唯一のウリハッキョ(朝鮮学校)である山陰初中が1999年に倉敷初中(現在の岡山初中)に統合されてから25年が過ぎる。にもかかわらず、学美展は毎年盛大に開催されている。

この「学美の世界」でも何度か紹介されたが、山陰地方での学美展には、他では見られない特徴がある。展示作品はすべて全国巡回用作品のみで、その年の成果が詰まった濃密な展覧会となっている。また、ほとんどの学美会場では観客の大多数を保護者が占めるのに対し、山陰展ではそのほとんどが一般の日本の方々である。

2009年、当時小学校教諭であった三谷昇先生がきっかけとなって始まった学美・山陰展は、鳥取、島根の日本の方々による熱心な学美ファンによって構成された実行委員会が年々拡大しており、今や総聯鳥取県本部、島根県本部、岡山県本部の委員長までもが直接展示作業を手伝うなど、地域全体を巻き込んだ一大イベントとなっている。

昨年行われた松江展には25人のスタッフが参加し、400人が観覧。展覧会の感想集を作成して各地のウリハッキョに送る活動も、今年で5年目を迎える。その会場でひときわ目を引いた、学美中央審査会でも最後まで議論の対象となった3点の作品を紹介する。

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