最高峰の大会を目指して/鄭世梨選手、WKF世界選手権大会・予選へ
2025年09月13日 11:55 スポーツ朝鮮大学校出身の鄭世梨選手が、フランス・パリで行われるWKF(世界空手連盟)世界選手権大会・予選大会(10月17~19日)に朝鮮代表として出場する。同胞選手がWKF主催の国際大会に出場するのは8年ぶりとなる。
在日本朝鮮人空手道協会の強化指定選手に選ばれている鄭選手は、栃木初中在学時の2017年に第7回東アジア選手権・カデットの部(14~15歳)に朝鮮代表として出場し、銀メダルを獲得。18年の第17回アジアカデット、ジュニア&U21空手道選手権大会、19年の第9回東アジア選手権にも出場した。
また、昨年5月の第11回東アジア空手道選手権(中国・河南省)で銀メダルを獲得し、同年9月の第20回アジア空手道選手権大会(中国・浙江省)では4位に入賞。空手競技のアジアクラスの大会において、同胞選手が組手4位の成績を残すのは初めての快挙だった。さらに、今年4月の第12回東アジア空手道選手権大会(中国・河南省)で銀メダルに輝き、昨年の東アジア選手権につづき2年連続となる銀メダルを手にした。
鄭世梨選手は当時について、「昨年の東アジア選手権は銀メダルで満足していたけど、今回は金メダルを逃した悔しさでいっぱいだった」と回想。「連戦でもしっかり勝ち抜けるように、体力、技術、精神力、すべての能力を強化しないといけない」と、課題克服のため日本の大学や道場での出稽古、朝鮮大学校での稽古、自主練習などに精力的に取り組んできた。
朝鮮がWKFに準加盟したのは2017年10月のこと。在日本朝鮮人空手道協会が朝鮮空手道連盟と連携しながら、国内外で地道に働きかけを行なった結果だった。その後、当時朝大生だった高智蓮選手が「第10回世界ジュニア・カデット・U21空手選手権大会」(スペイン領テネリフェ島)に出場し、WKF選手権大会の舞台に初めて立った。
今回、鄭選手が挑む予選はそうした流れを受け継ぐ新たな挑戦の舞台であり、目標とする来年の名古屋アジア大会に向けた重要な通過点となる。鄭選手は世界最高峰となる本選を目指して、10月13日に日本を発つ予定だ。
在日本朝鮮人空手道協会では、鄭選手の挑戦を支えるため募金活動やスポンサー募集を広く呼びかけている。詳細は以下のチラシを参照。
(李永徳)