「すべての遺骨を故郷に帰らせてあげたい」/長生炭鉱遺骨発見の現場で
2025年09月01日 15:01 歴史
ピーヤに向かうダイバーたち
山口県宇部市にある海底炭鉱「長生炭鉱」で1942年2月3日、朝鮮人136人を含む183人が犠牲となった水没事故の犠牲者の遺骨が8月25~26日の第6回潜水調査で初めて発見された。関係者たちは口々に、すべての遺骨収容と故郷への奉還に向けた「これから」を語った。
影の立役者

供養行事で拝礼する女性同盟の参加者
女性同盟宇部小野田支部では、長生炭鉱水没事故の犠牲者に対する追悼行事の際に、供養行事(チェサ)の準備を長年担ってきた。
今回の潜水調査の場に足を運んだ文夏子さん(76)と金春江さん(78)もその一人だ。初めて遺骨を持ち帰ったダイバーを涙を流しながら浜で迎えた文さんは、今はなき宇部初中の生徒たちが詩の朗読や献花で長生炭鉱犠牲者を追悼した姿を思い出したという。「2月の追悼式はとても寒く大雨や大雪で、犠牲者が泣いているように感じた。今回は遺骨が見つけてほしいと呼び寄せたようだ」と語った。