〈本の紹介〉国から見すてられる人びと/鈴木文治著
2025年08月25日 08:53 社会棄民政策の実態とは

現代書館、2300円+税
障がい者・ホームレス・非行少年。いずれも一般的に、「社会不適合者」とみなされている人々だ。
現代社会ではかれらについて、「生まれながらにして悪」「努力をしていない怠け者」などと、一方的にレッテルを貼り付ける声が少なくない。
本書は、長年にわたり障がい者教育を行ってきた著者が、障がい者・ホームレス・非行少年の3者を軸に、国が社会的に排除しようとする「棄民政策」の実態に迫った。
著者は、「棄民政策」の原理は「自己責任論」であると説く。弱者の置かれた立場が、あたかも