〈読書エッセー〉晴講雨読・朝鮮気象学史に関する二冊の研究書(上)/任正爀
2025年08月20日 10:04 寄稿過日、朝鮮大学校朝鮮問題研究センター(KUCKS)主催の歴史講座「過去の人びとは気候変動にいかに対峙したのか?」に参加した。
講師は古気候学の専門家である名古屋大学環境学研究科の中塚武教授である。
古気候学とは、産業革命以前の気候をさまざまな方法を用いて復元する学問分野で、中塚教授は樹木年輪の酸素同位体比を測定することよって過去2600年における数十年単位での気候変動を確認した。そして、それが東アジアのさまざまな歴史的出来事と呼応すると講演された。いわば自然科学と歴史学の融合で、なるほどと感心した。
実は中塚教授は著名な歴史学者である中塚明先生のご子息であり、歴史学の問題意識をずっと持っていたそうである。