公式アカウント

〈学美の世界 76〉オリジナルを描く/金洸秀

2025年08月19日 09:00 寄稿

幼い頃よく見た漫画やテレビ、映画などに強烈な印象を受け、よく真似をしたり、友達と○○ごっこしようと遊んだ事を思い出す。昔も今も、子どもたちは、自分の憧れを正直に行動に移し無我夢中に遊ぶ事ができ、頭をフル回転させながら、自分の憧れに近づけるよう行動できる力を持っている。また、大人になればなるほど、その力は薄れていくような感じがし、少し寂しくなるこの頃だ。

だが、毎年夏に行われる在日朝鮮学生美術展覧会の審査では、子どもたちの全力で、正直な作品たちに触れることができ、パワーをもらえる、すばらしい場になっている。紹介する3つの作品は、自らのオリジナルではなく、有名な作家たちが手がけたキャラクターだ。学生たちはこのキャラクターに強烈な印象、憧れをもち、自分も描きたい、作りたいと、思いっきり手がけた作品たちだ。

しかし学生たちのオリジナルではない。著作権の問題など問われるとグレーゾーンな感じもなくはないが、私は学生たちが手がけた作品たちにオリジナルを感じる。学生たちが憧れを超え、「自分ならどう描くか?」という意気込みがあり、完成された作品もオリジナルとは全くちがうカッコいい作品たちだと思う。

Facebook にシェア
LINEで送る