朝鮮製品の多様化と市場展開/国際展覧会に見る成長の兆し【動画】
2025年06月10日 06:00 経済 動画5月12日から開催された第23回平壌春季国際商品展覧会(青年中央会館)には多彩な国産品が並び、朝鮮の技術力の向上と製品の多様化を印象づけた。一方、朝鮮との経済協力に関心を寄せる外国企業の姿も多く見られた。
国産技術で製品開発
平壌で毎年春と秋に開催される国際商品展覧会は、対外貿易の拡大と諸外国との友好促進を目的としている。新型コロナウイルスのパンデミックにより数年間中断されていたが、昨年秋に再開。今年の展覧会は、朝鮮のほか、ロシア、中国、ミャンマー、モンゴル、バングラデシュ、タイの110余りの企業と会社が参加した。
朝鮮の国内企業はコロナ禍の中でも、国内原料に基づいた製品開発と生産に力を注いできた。朝鮮国際展覧社のキム・イルヒョク課長は、「原料と資材、設備の国産化比率を高め、世界的な競争力を持つ製品をより多く開発しようとする企業努力により、朝鮮の経済的自立性はさらに強化された」と話す。
今回の展覧会では、食料品や医薬品が多くの割合を占めた一方で、電子機器や情報通信機器の出展も目立った。
水晶川技術貿易会社は、昨年12月にリリースされた国内初のSIMカード対応スマートウォッチを出展した。このスマートウォッチは、通話やメッセージ送信、音楽再生などの機能を備え、実用性の高さから注目を浴びている。また、GPS機能により保護者が子どもの現在地をリアルタイムで把握できるほか、心拍数、血圧、血中酸素飽和度、歩数の測定も可能で、高齢者層を中心に人気が高まっている。
スマートフォンの分野では、朝鮮万景貿易会社が新機種「チンダルレ12」を出展。消費者の間でスマートフォンの価格と性能のバランス、洗練されたデザインが重視される中、同社は技術革新による製品の高性能化を進めている。
医薬・保健分野でも、富強製薬会社などが質の高い製品を展示。一部の企業はすでに海外展示会にも出展している。
輸出拡大へ進む連携
こうした企業努力は、実際の輸出拡大という成果にもつながっている。
ロシアメディアによると、ウラジオストクの企業「ボストーク・エネルギヤ」は、羅先リョンソン総合加工工場で生産される豆満江ビールの輸入を6月から開始する予定だ。通常のビールと黒ビールの2種類を取り扱い、まず極東地域から販売を始め、段階的に全国展開を目指すという。
また、ネゴヒャン貿易会社は昨年12月、ロシアでキムチ、パン、酒類、たばこなどの商標登録を完了し、現地での販売網の整備を進めている。さらに、朝鮮黄金山貿易会社はハバロフスクにリンゴを輸出しており、1キロあたり169.9ルーブル(約300円)で販売。中国や南アフリカ、イランからの輸入リンゴよりも低価格で、コストパフォーマンスが評価されている。
医薬品分野でも新たな動きがある。南松製薬所は、高麗人参を圧縮加工した錠剤「金堂-5」の対ロ輸出を計画しており、すでに連邦認証サービスに登録されたとされる。
今年2月末には、平壌商業会議所とロシア・クルスク地方商工会議所との間で協力協定も締結された。地方企業間の相互貿易・投資促進に向けたオンライン会議が開かれ、両国の有望な製品やプロジェクトが紹介された。製品の輸出や取引を具体的に進めている朝鮮企業の動きは、今後、製品の知名度向上や販路の拡大にもつながると期待される。
(朝鮮新報)