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条例をより実効性のあるものに/総聯京都府本部が府へ要請

2025年06月11日 17:02 権利

「京都府人権条例」をめぐり

総聯京都府本部の代表らが京都府に対し要請を行った。

京都府議会において去る3月19日に「京都府人権尊重の共生社会づくり条例」(以下、京都府人権条例)が可決成立したことと関連し、6月2日、総聯京都府本部の代表らが京都府に対し要請を行った。

要請には、総聯本部の金賢一国際部長兼権利福祉部長、朴淳湖女性同盟本部委員長、金賢哲朝青本部委員長が参加した。

席上、西脇隆俊京都府知事あての要請文を金賢一部長が読み上げ、府の担当者に手渡した。

要請文は、差別のない社会、人権を尊重し共生社会の実現を目指す条例が制定されたことに対しては評価をしつつも、本条例に差別行為に対する禁止規定は盛り込まれておらず、不当な差別行為が行われた際の府の施策についても示されていないことを指摘した。

また、京都では、09年12月の京都朝鮮第一初級学校に対する排外主義団体による襲撃事件、21年8月のウトロ地区に対する放火事件など、多数のヘイト事件が繰り返し発生したにも関わらず、それに対する言及は一切ないこと、このような在日朝鮮人に対する差別事件が数多く発生したにも関わらず、条例制定過程で在日朝鮮人団体や関係者に対する意見を聞く場がまったくなかったことに、遺憾を示した。

金賢一部長(左)が京都府知事あての要請文を府の担当者に手渡した。

要請では、「条例に差別行為に対する明確な禁止規定を設けることや、不当な差別行為が行われた際に府がとるべき施策について明記するなど、より実効性のある条例になるよう検討をすすめること」「条例に懇話会が開催されることが明記されているが、その中に総聯をはじめとした在日朝鮮人団体や関係者が入るようにするなど、在日朝鮮人の声を聞く場を設けること」を求めた。

席上で金賢一部長は「差別のない社会を目指す条例が制定されたことは一歩前進であると思うが、差別を受けている当事者の声をしっかりと聞き、条例をより実効性のあるものにして欲しい」と強調した。

朴淳湖女性同盟委員長は、「16年前の排外主義団体による朝鮮学校襲撃事件の時は私も現場にいたが、当時の傷は今でも癒えていない。行政としてより差別の当事者に向き合ってほしい」と話した。

金賢哲朝青委員長は、「朝鮮学校襲撃事件の記憶が鮮明に残っている同世代が今なお存在する中、差別による被害者を二度と生まないためにも、京都府は差別に対して明確に反対の姿勢を示すべきだ」と主張した。

【京都支局】

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