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〈読書エッセー〉晴講雨読・朝鮮現代史と叢書『不滅の歴史』(下)/任正爀

2025年03月26日 09:00 寄稿

『不滅の歴史』解放後編で強く印象に残っているのは、2001年に出版された『閲兵広場』である。金日成将軍とともに凱旋した金正淑、金策、金一、崔賢同志をはじめとする抗日革命闘士たちが新生独立国家建設のために奮闘する姿を描いている。この巻には主人公といえる人物が2人いて、一人は抗日連軍参謀長を務めた安吉同志である。かれはその経験を活かして正規軍の創設に全力を尽くす。

『閲兵広場』

当時、ソ連軍が駐屯しており、時期尚早とするソ連出身の幹部もいたが、内外の情勢から金日成将軍は軍創設を強く推進させる。安吉同志は胃病(おそらく胃がん)を患っており、医者も手の施しようがないことを知っている。それでも文字通り命を削って任務を遂行する。タイトルの「閲兵広場」は、死を前にした総参謀長のために閲兵式を行う場である。

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