兵庫の朝・日大学生が連帯に向けて/「プルム-朝・日大学生連帯行動-」
2025年03月13日 10:46 暮らし・活動
パネルディスカッションのようす
兵庫県内の大学に通う在日朝鮮人大学生と日本人大学生による「プルム実行委員会」が主催する「プルム-朝・日大学生連帯行動-」が2月15日、兵庫県神戸市内で行われた。
「プルム(부름/푸름)」とは「呼びかけ」「青さ」を意味する朝鮮語だ。本行事は朝・日の青年学生が在日朝鮮人への差別、かき消されようとしている朝鮮植民地支配への歴史に対して、社会に訴えかける場を作っていくことを目的に開催された。
当日は、西神戸初級での大学生交流企画と、「プルム-朝・日大学生と在日朝鮮人差別の本質について考える-」と題した講演会の2部制で行われた。

西神戸初級で大学生交流企画が催された
大学生交流企画には18人が参加し、西神戸初級の見学や朝鮮の遊び、キムパプ作りなどの民族文化体験、兵庫朝鮮歌舞団による公演も行われ、参加者たちは、交流を深めながら朝鮮の文化を思う存分体験した。
場所を移し、神戸市立中央区文化センターで行われた講演会では、関西学院大学や神戸市外国語大学などで非常勤講師を務める影本剛さん(朝鮮文学研究)が「なぜいま日本による朝鮮植民地支配の暴力、朝鮮の人々の抵抗の生を認識するのか?」をテーマに講演を行った。
影本さんは講演で、「日本の植民地支配の暴力」とは朝鮮人の生を「無視すること」、「動員対象の資源とみなすこと」であり、「朝鮮の人々の抵抗の生を認識すること」とは「日本による植民地支配暴力を認識すること」であると指摘。また朝・日連帯とは、現在の在日朝鮮人差別を前提にするのではなく、その土台である植民地支配の暴力を問い、連帯を阻害する植民地主義の政治的、経済的、性的、認識的暴力を崩壊させることによってのみ可能であると語った。

参加者たちによる記念撮影
次に、「朝・日連帯に向けて大学生がどのように活動をしていくのか?」と題して、朝・日大学生(「プルム実行委員会」)によるパネルディスカッションが行われた。
パネルディスカッションで学生らは、各々の問題意識や、実際に自分が経験した差別体験、依然として日本社会に蔓延る在日朝鮮人差別について振り返り、そのうえで自分たち若い世代が、朝鮮人に対する差別や弾圧行為、歴史に蓋をし、それらが当然の如く許容される社会的雰囲気に問題意識を持つ重要性を確認した。
そして連帯のためには、差別の克服に向けて運動という形で抗っていくことが大切であり、それが今日の朝・日大学生に求められているのではないかと認識を共有した。
参加者からは「無関心や無知識も人を傷つけることがあるという話は、まさに自分自身に心当たりがあると思った」「在日朝鮮人問題の根本を考える重要性を感じた」などたくさんの反響があった。
【留学同兵庫】