高校無償化拡充巡り、朝高生が要望書を提出/文科省前「金曜行動」に約200人
2025年03月09日 10:32 民族教育学ぶ権利“等しく保障を”

東京中高高級部1年の生徒代表4人が文部科学省への要請を行った。
今国会で拡充が審議される高校無償化から朝鮮高校が除外されている問題で、7日、東京中高高級部1年の生徒代表4人が文部科学省への要請を行った。要請の場には、同校教員と日本と朝鮮を結ぶ全国ネットワーク、朝鮮学園を支援する全国ネットワークなど8つの賛同団体から関係者が参加。国会議員らも同席した。この日は、初等中等教育局・高校修学支援室長のほか、同局幼児教育課、高等教育局・学生支援課、大臣官房国際課から担当者が応対した。
はじめに、東京中高高級部1年生一同の名義で、阿部俊子文部科学大臣へ送る要望書を、生徒代表の金鎮亜さんが読み上げた。
要望書は、朝鮮高校が、国交がないことなどを理由に、2010年から15年ものあいだ制度の対象外とされてきたことについて「戦後80年が経った今もなお、差別や偏見を生み出す国の本質が何一つ変わっていないと思うと悲しくなる」とした。
また、制度から除外された朝鮮高校やそこに通う生徒らに対し、「日本学校に通えばいい」「日本に暮らしてもう長いんだから、日本人と同じじゃないか」などの心無い声が寄せられることに「違和感を覚える」としたうえで、「人は世界中どの国で生まれ育っても、自分のルーツを持っているし、それに誇りを持って生きていきたいと願う思いは、万国共通ではないか。…母国の歴史を学び、朝鮮の言葉や文化を学べる場所は朝鮮学校しかない」と訴えた。

要望書をよみあげる生徒
要望書はまた、朝高生たちが「日本と朝鮮半島をつなぐ架け橋のような存在」となり、「これからの日本を背負う日本の友人たちと共に素敵な未来を創っていきたい」としたうえで、「私たちはただ単にお金が欲しいから求めるのではない。侵害され続けている学習権を求めて闘っている」と、今日こうして行動している意味を確認した。
要望書は、「各種学校」というカテゴリーを排除の理由とせず、朝鮮学校の歴史と現状を踏まえ公正に扱うこととして、以下4つを求めた。
▼朝鮮学校生徒への「高校無償化」適用
▼朝鮮学校幼稚園への「幼保無償化」適用
▼朝鮮大学校学生への「高等教育の修学支援新制度」適用
▼補助金復活に向けて「朝鮮学校に関わる補助金交付に関する留意点について(通知)」を撤回し、朝鮮学校に対する地方自治体助成を奨励すること
“政治的な色眼鏡はやめて”