三重同胞奮闘記⑭少ないって悪くない/金琴純
2025年01月23日 10:01 暮らし・活動「今年は少し参席者が少ないようですが…」
三重同胞新春の集いと成人祝賀会(1月13日)であいさつに立った日朝友好三重県民会議の船橋誠一会長は漏らした。実際に、会場は例年に比べ少々寂しげ。というのも、体調を崩して参加できなくなった人が増えたためだ。内心、(うーん、どうなる?)と心配したがまったくいらぬ世話、三重同胞や県民会議の先生方など約60人が大いに語り歌い踊り、盛り上がる会となった。
今回20歳を迎えた金英雅さんは6年生まで四日市初中に通い、愛知中高に転校した。前日は「愛知県同胞成人式」に出席し、この日は生まれ育った三重県の方に。年始には朝青三重による新成人祝賀会があり、気心の知れた先輩たちに祝ってもらったそうだ。
残念ながら他の同級生は居住地域の成人式に行ったため、金英雅さんは妹の世雅さんが見守る中、一人でひな壇に上がった。皆々からお祝いメッセージとプレゼントをもらい心からの笑顔がこぼれる。
そして、なんと、いつもなら民謡に合わせて騎馬に上がるのは男子だが、英雅さんが大手を振ってかつがれているではないか。下で支えるのは去年20歳を迎えた朴京聖さん、3歳上の朴星来さんと曺愛華さん。これまた斬新、新しい成人式のスタイル誕生だ。
たくさんの人で会場が埋まらなくても、参加者それぞれの楽しみ方で賑やかし、サプライズがあり、ともに過ごす時間は愛しい思い出となる。ビール瓶片手に全テーブルをまわり、一人ひとりと話し込めてしまえるサイズ感も、またいい。
「自分が参加しなかったら、これまで続いた三重の成人式の伝統が途切れてしまうと思って来ました。来年20歳になる後輩に繋がれば嬉しい」。終始笑顔で楽しんだ様子の英雅さんの思いを支えるのは、私たち。私たちでなければならない。
(「ウリ民族フォーラム2023in三重」と準備過程で活気を取り戻した三重同胞社会。フォーラム後も有志たちの奮闘は続いている。同フォーラム記録係を務めた金琴純さんがかれらの活動をレポートする。不定期掲載)