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訪朝者5人による座談会など/『季刊 朝鮮経済資料』2024年第4号

2025年01月17日 08:00 経済

『季刊 朝鮮経済資料』(発行=KAN経済研究所)2024年第4号が発行された。今号では、朝鮮の金融情報化の動向、訪朝した朝鮮大学校教員、本紙記者らによる座談会が扱われている。

論調紹介「金融情報化の動向について」(解説:朴在勲)は、『社会科学院学報』23年3号に掲載された「デジタル通貨導入のインフラ構築において提起される諸問題」(訳:朴在勲)と、『金日成綜合大学学報(経済学)』24年1号に掲載された「金融サービス技術の導入において提起される重要な問題」(訳:廉貴成)の2本の論文を紹介した。

金正恩総書記は2015年12月に開催された第3回全国財政銀行部門活動家大会の参加者に送った書簡で「財政銀行事業を改善・強化する」ための課題を示した。その一つが「金融の情報化」だった。

朝鮮で行われている金融情報化の現状を理解するための一助になる2本の論文のうち、1本目の論文では、デジタル通貨について「当該国の中央銀行が発行するデジタル化した法定通貨」だとしたうえで、その導入のためのインフラ構築について論じている。また、中央銀行が発行するデジタル法定通貨(CBDC) 導入のためのハードウェアの構築及びソフトウェアの開発について言及した。2本目の論文では、主に商業銀行の業務としての金融サービスをIT 技術を駆使して革新していくことについて論じ、金融機関の業務におけるより高度な金融サービスを提供するためには、移動通信網を基本としたインフラの拡充や世界的な趨勢に応じたシステムの開発だけでなく、金融監督業務およびセキュリティー能力の強化が必要であると説いている。

座談会「現地で見て、聞いて、感じた、朝鮮の経済と暮らし」(司会:姜日天)は、昨年8~11月にかけて訪朝した朝鮮大学校の崔勇海、李泰一、李景洙教授、文泰勝准教授と本紙・金淑美記者による座談会を開催し、現地での体験の一端を語ってもらった。

座談会では、近年新たに建設された住宅街や、穀物生産水準などの食糧問題、生産現場における経済管理方法や経営革新、生活費(給与)と生活水準、市民の購買力の上昇、科学技術政策など、幅広い内容が語られた。とりわけ、座談会参加者らが、それぞれの専門知識と、参観地で得た情報、現地の識者の講義などに基づいた発言が注目ポイントだ。

座談会を通じて、5人の訪朝者たちは、コロナ禍で在日同胞の訪朝が見送られてきた約5年間で変貌を遂げた朝鮮の姿を紹介した。

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(鈴)

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