三重同胞奮闘記⑫長く続け同胞社会の根底を支える/金琴純
2025年01月06日 13:47 暮らし・活動「アンニョンハセヨ!」
私の顔を見るなり、コッポン(四日市初中での土曜オリニ教室)に来ている子が大きな声であいさつしてくれる。今日はナルゲ会(四日市)とパンウル会(鈴鹿)合同のクリスマス会(2024年12月22日)。
ナルゲ会は今年で31年目、パンウル会は26年目になる子育てサークルだ。もともとは若い世代のオンマたちどうしの交流、女性同盟やウリハッキョとの関わりをもてる場としてナルゲ会が結成され、続いてムジゲ会(桑名※現在は活動していない)、パンウル会が生まれた。
以前はオンマメインの企画を楽しむ会だった記憶があるが、年月とともに形を変え、今は0歳から9歳までの子を対象に季節ごとのイベントを親子で楽しむ内容になっている。
バルーンアートや工作など毎回趣向を凝らしていて、今年のコンセプトは「美味しいクリスマスランチを楽しむ」。李果穂さんが3日かけて作った牛頬の煮込みや米粉のクッキーにプリン、バスクチーズケーキ、スコップケーキなどのスイーツの数々に「すごーい! こんなの食べていいの?!」とオンマたちから驚嘆の声が上がった。
女性同盟の助っ人に塗り絵、輪投げ、魚釣りゲームを任せて子どもたちが夢中になるとようやく座っておしゃべりタイムへ。ここが大事な時間、数年かけて積み上げたオンマたちの関係性が場の空気から感じられ、なんとも心地よく、両会の役員が次の役員へ引き継いできた賜物だ。
「日本学校出身のあるオンマは、子どもたちをウリハッキョに触れさせたいとコッポンに来てくれる。コッポンの子どもたちが増えたのは、私たちが活動を続けてきた大きな成果だ」と話す申絹淑さん(パンウル会会長)。参加歴12年目の鈴木絵美さん(ナルゲ会会長)は、「子どもが大きくなって悩み事も変わる中で、いろいろ話せる場があるのがいい」という。
参加世帯の減少、非会員から会員への移行、ウリハッキョへの就学(園)につながらないなどの問題に頭を悩ませながら、自分にできることを楽しく一生懸命にがんばるオンマの力なくして同胞社会は成り立たないと頭が下がる思いがした。
(「ウリ民族フォーラム2023in三重」と準備過程で活気を取り戻した三重同胞社会。フォーラム後も有志たちの奮闘は続いている。同フォーラム記録係を務めた金琴純さんがかれらの活動をレポートする。不定期掲載)
(朝鮮新報)