〈社会を知る〉Newsトピックで振り返る1年

〈社会を知る～今週のnewsトピック～〉で紹介した事柄に基づいて、今年1年の日本社会の動きや在日同胞を取り巻く情勢などについて振り返る。

溢れる虚偽情報

1月1日、能登半島地震が発生した。SNS上では混乱に乗じて「外国系の盗賊団が集結中」などのデマが投稿された。法務省人権擁護局は「偏見や差別を助長するような情報の発信は重大な人権侵害や避難、復興の妨げにもなりかねない」と注意喚起した。また、外国人差別の代表的なデマとして挙げられる「在日特権」について国税庁は2月28日に「（国籍や団体によって）特別な取り扱いをすることはない」と、明確に否定した。

一方、デマが招く惨劇は国外で現実と化した。反移民感情を煽るデマによって８月上旬にかけ、イギリス各地で極右らによるデモが多数発生し、一時暴動に至るまでエスカレートした。またデマが拠り所とする排外主義は各国で蔓延している。12月には米国・ニューヨークで、男3人組が「英語を話せない」と答えた17歳の青年を殺害する事件が起きた。

統計から見る世の変化

総務省が７月24日に発表した住民基本台帳に基づく2024年1月1日時点の人口動態調査では、日本在住の外国人の人口が332万3374人を記録したことが明らかになった。