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〈時事エッセー・沈黙の声 54〉米国の責任不問・朝鮮人被爆者除外の被団協/浅野健一

2024年12月13日 11:51 寄稿

ノーベル平和賞の「反ロ」政治利用

日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授賞式が10日、ノルウェーのオスロで行われた。長崎で被爆して親族5人を亡くした田中熙巳(てるみ)代表(92)の演説をテレビ中継で見た。田中氏は広島・長崎に原爆を投下した米国の責任に一言も触れず、「ウクライナ戦争におけるロシアによる核の威嚇を続ける中、市民の犠牲に加えて『核のタブー』が壊されようとしている」と強調した。

被爆者の運動を評価した平和賞受賞は喜ばしいが、国籍を問わず世界各地に被爆者がいると言及した中で、「韓国へ帰った被爆者」やブラジルなどの国名を挙げながら、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)へ帰還した被爆者を無視したのは看過できない。

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