日本人有志、朝鮮学校関係者ら千葉県へ要請
2024年11月22日 09:23 民族教育「学ぶ権利は平等」「補助金支給再開を」
2011年から打ち切られている千葉朝鮮初中級学校に対する補助金(千葉県立私立学校経常費補助金)の支給再開を求め13日、千葉朝鮮学校を支える県民ネットワーク(以下、千葉ハッキョの会)、千葉・朝鮮学校を支える会、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会(以下、無償化連絡会)、I女性会議、朝鮮学校関係者ら総勢20名が千葉県庁を訪れ要請活動を行った。
この日の要請には千葉県総務部学事課の職員4人が対応した。要請の場ではまず千葉ハッキョの会の榮永正之事務局長と千葉・朝鮮学校を支える会の坂本雄一郎代表委員が要請の趣旨を発言した後、それぞれの会の要望書を学事課長に提出した。
両会の要望書は、朝鮮学校が高校無償化から2013年に完全に除外され、それに続いて2016年の文科省通知によって各地の少なくない自治体が朝鮮学校に対する補助金を凍結または減額している中、千葉初中への補助金支給も打ち切られたままであり、その結果として学校運営が危機的状況にあることに触れ、千葉初中の子どもたちの教育を受ける権利を保障することは同じ地域に暮らす県民の義務であると指摘した。そのうえで県に対して、▼県の経常費補助金を早急に支給するとともに、来年度に向けて予算化すること、▼千葉初中を教育環境整備費等補助金の支給対象とすること、▼保護者への助成も実施すること、▼教職員研修のための補助金も助成することを求めた。
これを受けて学事課側は、「補助金の再開にあたっては当然ながら県民の理解が必要であり、その理解がないと補助金の再開は難しい」と回答した。
次に学校関係者、支援者らが発言した。千葉初中の康静恵校長は、「日本の支援団体のメンバーたちが学校のためにカンパを募り、学校で使う備品などを買ってくれている。本来、それは国や自治体からの助成金で賄うものだ」などと学校運営の厳しい実情を切々と説明しながら、県職員に向けて「朝鮮学校に補助金を出していただきたい」と訴えた。
「自分たちのアイデンティティを学び、守りたいという気持ちの何が悪いのか。朝鮮学校の子どもたちも、みなさんの周りにいる子どもたちと何も変わりない。どんな子どもたちにも学ぶ権利は平等にある。補助金支給の再開を検討していただきたい」。千葉初中オモニ会の皇甫美和会長(46)は目に涙を浮かべながら自身の思いを吐露した。
最後に千葉ハッキョの会の廣瀬理夫共同代表が今後も県に対して要請を行っていくと述べた。
(金盛国)