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〈さくっと解説~知識の源Q&A〉SNSと闇バイト

2024年11月15日 09:15 社会

多様・複雑化する昨今の日本社会で、相互理解の前提となる知識や認識の積み重ねは、一層その必要性を増している。【企画】知識の源Q&Aでは「社会を知る~今週のnewsトピック~」(本紙毎週月曜日号)と関連して、今知っておきたい知識をQ&A形式で紹介する。

昨今、「闇バイト」が社会問題化している。首都圏で相次ぐ広域強盗事件で、実行役の大半は、SNS上でそれに応募し犯行に及んでいる可能性が高いとみられる。気づかぬうちに犯罪に加担するリスクが高まる今、闇バイトとは何か、その見分け方や情報の取り扱い方法を確認する。(参照=文部科学省「情報化社会の新たな問題を考えるための教材」、東京都特殊詐欺加害防止特設サイト)

Q. 闇バイトとは?

A. SNSやネットの掲示板などで、短時間で高収入が得られるなどと呼びかけて、応募すると詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯などに加担させられるもの。

 

Q. 闇バイトに巻き込まれる代表的な手口は?

A.主に4つある。一つ目は、「高額報酬」などの言葉に誘われ自分で検索し応募したり、友人や知人から誘われたりとSNS経由の応募だ。警察庁の発表によると、2023年1月〜7月末までに検挙された被疑者が「闇バイト」の実行役等になった経緯はSNS経由の応募が46.9%で、約半数だった。さらには5人に1人が20歳未満の少年だったという。また特殊詐欺などの対策サービスを提供する「トビラシステムズ」が、昨年11月に約1200人を対象に行った意識調査によると、10代の約3割が闇バイト募集を「見たことがある」と回答した。「高収入」「即日即金」「誰でもできる」などのキーワードや、犯罪に関する隠語(別表参照)を使った投稿には要注意だ。

二つ目は、犯罪の証拠を残さないためにテレグラムなど匿名性の高いアプリを利用する。三つ目は、アルバイトの登録情報に必要などと言い、身分証や顔写真、家族構成や住所など個人情報を求めることだ。四つ目は、犯罪行為であると気づき、実行を拒否すると個人情報を使って抜け出せなくなるようにする脅迫行為だ。

 

Q. 最近の傾向は?

A.ごく普通の求人広告を装う傾向が強くなっている。

例えば、「かけ子」の募集は「コールセンターでの仕事です。スクリプトどおりに話すだけです」などと、仕事内容を具体的に示し、応募者が不安を抱かないよう工夫する動きがみられる。また「受け子」の仕事等を日給1万円程度で募集するケースも出てきており、高すぎないバイト代に、それとは気づかず応募するケースもある。

一方で、近年各地で多発する特殊詐欺や強盗殺人などの凶悪事件は、その多くが匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」(自分たちが何者かを名乗らず、匿名性の高いSNSなどで実行役を集めて、特殊詐欺などの犯罪を行う集団)によるもので注意が必要だ。

 

Q. ファクトチェックの際のポイントは?

A. ①情報源はあるか、②発信者は信頼できるか、③他ではどう言われているか、④画像は本物か―の4点を確認することだ。最近はAIで本物そっくりな画像をつくることもでき、有名人の顔を入れ替えたり、声や話し方を捏造して作るディープフェイク動画なども問題となっている。

 

Q. SNSで得た情報、真偽を確かめる際に心得るべきは?

A.現代社会には、①意図的・意識的につくられたニセ情報、②勘違いや誤解によって広まってしまった誤情報、③誰かや何かを攻撃したり、誤解させる狙いのある悪意ある情報などさまざまな情報が溢れている。そのため、安易に受け取った情報を鵜吞みにせず、活用せず、拡散しないことが求められる。

(朝鮮新報)

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