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甲陽園で強制連行の歴史学ぶ/大学生らがフィールドワーク

2024年10月27日 09:00 歴史

甲陽園地下壕を巡った

兵庫インカレ在日コリアンサークルが主催するフィールドワークが5日、朝鮮人強制連行跡地である甲陽園(兵庫県西宮市)で行われた。

今回の企画は、▼日本社会で歴史修正主義と歴史否定の動きが加速化する中、日本人大学生、有志とフィールドワークや学習会を行うことで参加者が在日朝鮮人の歴史的背景を理解し、朝鮮人強制連行の歴史を学ぶきっかけを作ることで世論喚起に繋げること、▼日本人にとっても朝鮮人にとっても緊急に求められる過去清算問題を共に考え、実践できる連帯の場とすることを目的に行われた。

当日は大学生、大学教員を含む10人が参加。甲陽園地下壕1号壕から7号壕まで順に巡った。

甲陽園地下壕はアジア太平洋戦争末期、日本各地に数多く掘られた地下トンネルの一つ。その建設に多くの朝鮮人が動員された。甲陽園では強制労働に従事した朝鮮人が、落盤事故で死亡したという記録も残っている。中でも、甲陽園地下壕4号壕の壁に「朝鮮国独立」「緑の春」と書かれた墨字からは、亡国の苦しみ、悲しみ、解放への希望を読み取れる。

案内を務めた留学同兵庫地方本部の黄桂範組織部長は「これからも日本人との活動に力を入れ、朝・日学生と共に日本社会に蔓延する植民地主義に抵抗し続けていきたい」と話した。

フィールドワーク終了後は総聯西宮支部会館に移動し、学習会とワークショップを行った。学習会では、甲陽園地下壕群の埋め戻しが西宮市の圧力によって、市民団体の活発な保存活動むなしく、急速に実施された経緯について留学同兵庫地方本部の韓翔昊副委員長が解説した。韓副委員長は「甲陽園地下壕の埋め戻しは、日本政府の歴史否定と同時期に、急速に進められたことに注目する必要がある」と強調した。

ワークショップでは、「植民地支配が清算されていないために、日本社会においてどのような課題が残っているのか?」「過去清算問題についてどのような活動ができるか?」という2つのテーマで意見を交わした。

【留学同兵庫】

 

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