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〈読書エッセー〉晴講雨読・独自の哲学を愉しむ内田樹『ためらいの倫理学』/任正爀

2024年10月21日 09:00 寄稿

本欄で取り上げる本は、まずは朝鮮と関連するもの、次に物理学や科学史など自身の専攻に関連するもの、そして印象深い小説や詩などの文学作品が基本である。他方、ジャンルを問わず個人的に何らかの関係性があるものも選択の理由となっている。今回の内田樹『ためらいの倫理学』はまさにそれである。

『ためらいの倫理学』(単行本)

日頃、東京新聞や『週刊金曜日』に掲載される内田先生のコラムを愛読しているが、本紙2020年2月18日付インタビューも実に興味深いものがあった。在日朝鮮人を取り巻く日本社会の状況からはじまり、当時の日本政府の実態、そんななかで若者のなかに蔓延している「道徳的ニヒリズム」とその要因、その空気を変えるためにはどうすればいいのか、表現の自由とは何か、そして友好的対外関係を築くためには何が必要なのか、鋭い洞察に基づくその見解からは多くのことを学ぶことができた。

インタビューでは、

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