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未来を創るために力を/愛知で新校舎竣工祝賀会

2024年10月18日 11:04 民族教育

式に続いて行われた愛知中高、名古屋初級、東春初級の学生たちによる記念公演

愛知中高と名古屋初級の新校舎竣工および東春初級の全面補修事業完工を記念する祝賀会(主催=同実行委員会)が13日、愛知中高と名古屋初級の敷地で行われた。

祝賀会には、総聯中央の許宗萬議長、宋根学副議長兼教育局長、姜秋蓮副議長兼女性同盟中央委員長、教職同中央の尹太吉委員長、総聯愛知県本部の徐春元委員長をはじめとした学区内の総聯本部委員長たち(静岡、三重、岐阜、長野、福井、石川)、建設委員会の黄充宏委員長、本部管下の学校長と歴代校長をはじめとする同胞、保護者ら約1500人が参加した。また来賓として県議会議員や市議会議員、県内の朝鮮学校を支援する団体関係者など多数の日本市民らも同席した。

第1部の記念式典では朝鮮民主主義人民共和国国歌の奏楽、朝鮮の教育省、愛知中高の姉妹校から寄せられた祝電の紹介につづき、許宗萬議長があいさつした。

議長は、愛知中高と名古屋初級の新校舎建設、東春初級校舎の全面補修など、今日に至るまでの愛知民族教育の歴史には、祖国の愛情が深く刻まれており、1世たちの時代から脈々と繋いできた同胞、卒業生たちの愛国心に支えられていると述べたうえで、東海北信地方の民族教育発展のために尽力してきた建設委員や商工人たちをはじめとする功労者たちを労い、祝いのことばを送った。

また議長は、在日朝鮮人運動のはじまりがそうだったように、その未来も民族教育によって担保され発展していくと強調したうえで、愛族愛国の伝統を受け継ぎ、同胞社会の発展と後世たちの輝かしい未来のために、この地の同胞、関係者らが一致団結した力で取り組んでいこうと述べた。

続いて総聯本部の徐春元委員長(実行委員会委員長)が、報告を行った。

徐委員長は、老朽化した学校施設を一新し、財政問題の解決を図ろうと2018年10月に新校舎建設をはじめとする関連事業が提起され、翌19年2月に「未来建設委員会」を発足し、「民族教育の未来を創ろう」との思いで、同事業を推し進めてきたことを報告した。

とりわけ近年の資材高騰で追加工事が提起されるなど、当初の計画を変更、修正を要する状況の中、民族教育の現在と未来を思う心で、建設および募金事業に支援、協力してくれた卒業生、同胞、保護者、日本の支援者らに謝意を表した。

徐委員長は、1945年に名古屋初級の前身となる則武朝鮮人学校を皮切りに79年の年輪を刻んできた愛知での民族教育を発展させていくために、今年の年末までに目標に届かなかった「新校舎竣工祝賀募金運動」に注力する一方で、教育の抜本的なレベルアップを図り、一人でも多くの子どもたちを迎え入れられるよう、同胞、関係者らと手を携え民族教育事業を推し進めていくと決意表明し、協力を呼びかけた。

式典では、来賓の紹介に続き、新校舎建設および募金事業に貢献した団体・個人に感謝状が授与された。

続いて、愛知中高、名古屋初級、東春初級の学生たちによる記念公演が行われた。

この日の祝賀会では記念植樹が行われたほか、第2部では運動場に特設ステージや屋台が設けられ、母校を久しぶりに訪れた卒業生、わが子の晴れ姿を観にきた保護者など多くの参加者たちでにぎわった。

”皆で皆を育てる”

過去に、愛知、東京、九州地方の朝鮮学校で教員を務めた趙貞愛さん(76)は、友人たちと共に祝賀会に参加した。趙さんは、「これほど多くの子どもたちが感動的な公演を披露してくれて心に響くものがあった」とし、「困難が立ちはだかることが今後も予想されるが、愛知中高が、東海北信地方の同胞たちに力と勇気を届ける場になってくれることを願っている」と期待を寄せた。

また祝賀会に先立ち、同校を訪問しあいさつした愛知県の大村秀章知事は、昨年75周年を迎えた同校の新校舎竣工という節目を祝った。大村知事は「愛知県ではさまざまルーツをもつ県民の皆さまが、愛知という一つの大きな船にのって、共に生活をしていく仲間として、支え合いながら笑顔で健やかに暮らせる社会の実現に向けて取り組みを進めている」とし、「新しい学び舎で、確かな学力、豊かな人間性、そして逞しく生きるための健康体力を育んでほしい。新しい時代の担い手として今後も多くの方面で活躍することを期待している」とエールを送った。

愛知中高オモニ会副会長の孫琴実さん(48、41期卒業生)は、この日、オモニ会のメンバーたちと共に売店で忙しなく働いていた。現在、高3と中2の子どもたちが同校へ通っているという孫さんは「親としてはできる限りのことをやってあげたい、ただそれだけだ」としながら「ここの良さは『皆で皆を育てる』ところ。愛知民族教育に同胞コミュニティの良さがつまっている」と語った。

(文・韓賢珠、写真・盧琴順)

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