さまざまなcolor マダン「から」始まる/同胞学生200人が集結
2024年09月15日 08:00 暮らし・活動「在日コリアン学生キャンプ2024 マダンcolor」(主催=留学同中央)が8月12~14日に開催された。兵庫県ハチ高原の宿泊施設で行われた行事に、朝鮮半島にルーツを持ち、日本の大学や専門学校に通う学生ら約200人が参加した。
民族性や一体感を
東京、西東京、神奈川、埼玉、東海、京都、大阪、兵庫、中四国、九州のみならず東北からも参加者が集った今回のマダンでは、学習、討論、運動、肝試しと謎解き、野外バーベキュー、文化競演、文化体験など3日間、さまざまな企画が行われた。
学習企画では、動画上映が行われた後、班毎にワークショップを行った。この動画には親からルーツを隠すように言われたり、大学で同級生からマイクロアグレッションを受ける、民族名/通名について理解されないといった、同胞学生たちが日々直面する場面とその際の葛藤が描かれた。自身も日本学校出身で、今回実行委員長を務めた柳優衣さん(留学同東海・4年)さんは、「一人ひとりが自分のルーツに対し否定的に感じてしまうような社会に生きていることに気づき、またその中で同じルーツを持つ人々が集まる場所の温かさを共有できたら」との思いでこの企画を準備したという。
一方、文化競演では各地の学生がそれぞれサムルノリや舞踊、マダン劇、農楽を披露。最優秀賞に留学同兵庫が選ばれた。学生たちの中には、毎年、この企画のための練習で初めて民族楽器や舞踊に触れる人が多い。兵庫の大学に通う張実優さんもその一人だ。張さんは「普段の活動では日本学校出身ということもあり疎外感を感じる時もあったが、文化競演の練習や本番は、日々感じることが難しい民族性や一体感を得ることができとても嬉しかった」と頬を緩めた。
一方、留学同地方本部がない秋田の大学に通う李航旗さんは、今回初めて留学同の行事に参加した。李さんは「楽しく意義深い時間を過ごすことができ、とてもいい思い出になった。自分が日本学校に通いながらも在日朝鮮人としてのアイデンティティを固く持ち続ける重要さを再認識するきっかけとなった」と話した。
今後の活動に期待
今年のマダンは、金大峰さん(留学同東京・4年)、姜勝太さん(留学同神奈川・4年)、柳優衣さん(留学同東海・4年)、南侑希さん(留学同京都・4年)の4人が共同で実行委員長を務めた。
今年のマダンは「きっかけ」がコンセプトだと話す姜さんは「200人規模の同胞学生が一堂に会し、色とりどりな出会いを重ね、共に学び、共に悩み、共に歩んでいく。そんなきっかけを参加者たちと作れたのではないか」と語った。
マダンが終わっても各地での活動は続く。実行委員長の金さんは「このマダンをきっかけに日本学校に通ってきた学生たちだけでなく、朝鮮学校に通った学生たちも、いま一度自分の生き方を問い、在日朝鮮人として共に同胞社会を守っていく存在になれれば」と語った。
そんな実行委員長たちには参加者から「やばい!楽しい!」「楽しいだけでなく、学びもあった3日間だった」などの嬉しい声が多く届けられた。「マダンという場が、参加者たちにとって非日常的で、刺激になればと思いながら準備してきた」実行委員長の南さんは、心の中で小さくガッツポーズをした。
【留学同中央】