〈関東大震災朝鮮人虐殺101年〉神奈川・久保山で追悼会
2024年09月08日 19:51 歴史自分事として向き合う市民たち “歴史は自分を形成する要素”
関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会(以下、実行委員会)が主催する追悼会が7日、神奈川県横浜市の久保山墓地で執り行われた。同墓地の敷地内にある「関東大震災殉難朝鮮人慰霊之碑」前で行われた追悼会には、同胞、日本市民ら281人が参加した。
1923年の関東大震災当時、朝鮮人留学生など「在日本関東地方罹災朝鮮同胞慰問班」が行った調査では、関東地方全体で6,661人、神奈川県で3,999人の朝鮮人が虐殺されたことが示された一方、当時の司法省による調査では、県内の殺傷事件が2件、横浜では0件と発表していた。
しかし昨年に刊行された資料集『神奈川県関東大震災朝鮮人虐殺関係資料』(三一書房)は、神奈川県知事が内務省警保局長にあてた報告書とみられる文書「震災に伴う朝鮮人並びに支那人に関する犯罪及び保護状況その他調査の件」(朝鮮史研究者である故・姜徳相氏が古書店で入手)が収録されており、「朝鮮人犯行の喧伝を誤信し恐怖と不安にかられた」ことを動機目的とした日本の市民らの手で、145人が虐殺された事実を告発。大震災当時の政府発表を覆すこの内容に、大きな注目が集まった。
追悼会では、はじめに、実行委員会からの呼びかけとして代表の山本すみ子さんが発言。山本さんは、虐殺犠牲者たちが「その死すら抹殺され隠蔽されてきた」として、名前をよみあげることが真相究明の一歩だと語った。その後、昨年公開された前述の資料に基づき、横浜、鶴見、川崎、保土ヶ谷、鎌倉、茅ヶ崎の地域別に145人の朝鮮人犠牲者たちの名前と虐殺場所などが読み上げられた。
つづいて参加者全員で黙とうをささげた。
主催者あいさつを行った山本さんは、昨年の資料公開から1年、この間、資料にある虐殺地を一つひとつ訪ね、場所の確認作業を行ったとして、追悼会に合わせて作成されたパンフレットを紹介した。このパンフには現・横浜市の地図と共に、実行委員会のメンバーたちが確認した虐殺地が赤丸で記された。
山本さんは、日本の朝鮮植民地支配という歴史的背景のもとに関東大震災時の朝鮮人虐殺があると改めて指摘した。そのうえで同氏は、これまでの活動を通じてとりわけ虐殺の民衆責任を問うてきたと話し、いま大事なのは「史実を認めさせる闘争」だと訴えた。
「今後、横浜市、神奈川県に対し(朝鮮人虐殺の)事実をつきつけ、反省してもらいたいし共に反省していきたい。被害者一人ひとりの遺族を探し出し、被害者を突き止めるまで長い闘いになろうとも行動していく」(山本さん)。
この日の追悼会では、社会民主党党首の福島みずほ参議院議員、神奈川県弁護士会の櫻井みぎわ弁護士が発言。また詩人・ラッパーのFUNIさんが、関東大震災時の朝鮮人虐殺を自分事として捉え向き合った思いをラップにのせて表現した。
福島みずほ参議は、