〈時事エッセー・沈黙の声 51〉在沖米兵少女強かんを半年間隠蔽/浅野健一
2024年09月25日 12:11 寄稿「被害者のプライバシー」保護名目に
駐留する外国軍隊の25歳の兵士に、16歳未満の少女が誘拐、強かんされて捜査当局に立件され事件が半年間も隠されて、人民に知らされない。兵士を派遣した国も、被害少女が住む国の責任者も、少女に謝罪の言葉も発しない。こんな理不尽なことが、「『人間の尊厳』を守る」「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」(首相官邸HP)を謳う日本国で起きた。
昨年12月24日夜、在沖米軍嘉手納基地所属の空軍兵長が、面識のない少女を車で自宅へ連れ去り、性的暴行を加えたとして、不同意性交などの罪に問われ、刑事裁判が那覇地裁で3回開かれた事件だ。
沖縄県警は、米軍が兵長の身柄を確保していたため、逮捕できなかった。県警は3月11日に那覇地検に書類送検し、地検が同27日に在宅起訴。日米地位協定に従って、起訴後に米軍が兵長の身柄を日本側に引き渡した。
県警はこの事件の発生、被疑者送検について、県警庁舎内にある県警記者クラブに広報(「公表」ではなくクラブ加盟の企業メディア記者に限定した便宜供与)せず、地検の広報官(検察事務官)も司法クラブへ伝えなかった。